日本においてスポーツの国際交流の意味合いは激減している:残念でもあり、幸せなことでもある
皆さんは、最近国体やアジア大会の報道が以前より少ないと感じないだろうか?
冬季大会が夏季大会に比べて注目を浴びないのは、昔からのことだが、広州で開かれたアジア大会だって、昔ほどマスメディアで取り上げられていないではないか。
そう私が話すと、マスメディアサイドでも同意してくださる方がいる。
私はこう推測している。
そもそも、国体、アジア大会、オリンピックは、リージョナル(インターナショナル)な大会の意味合いが強い。純粋に選手の競技の優劣をつけるだけなら、単種目の世界選手権大会で十分だ。
わざわざ複数の種目を同時開催するのは、競技そのものに加え、イベント色を強め、異種目交流、町(国)おこし、地域(国際)交流、平和貢献に意義を見出しているからだと思う。
しかるに、今の日本にはそれがあまり重要視されない風潮がある。オリンピックの招致が国内で盛り上がらないのもそういうことだろう。スポーツによる地域発展・国際交流の必要性や意義を見出せなくなった、と言うとネガティブだが、見出さなくてよくなったと言えばポジティブかな。
オリンピック招致に一生懸命なのは、招致を契機にぐんぐん成長したいと思っている発展途上国や、内憂を抱え皆をひとつにまとめようとしたい地域が多い。日本は豊かで平和な国なのだ。
さて、興味深いことに、マイナーな競技でも世界選手権大会は以前よりむしろ取り上げていると某マスメディアが言った。以前よりマイナー競技にも注目が集まるようになって喜ばしい反面、少々成績主義になりすぎているとも感じている。
競争することは素晴らしい。ましてや世界の頂点を極める戦いに挑めるなんて本当に素晴らしい。
しかしながら、マイナー競技においては、選手がプロ化することは難しく、その競技のことだけを24時間考えて、生活できる経済状態にはない。
経済的に自立する環境の支援もなしに、なんだか国全体が一位という結果だけを求めるような応援(プレッシャー)をしているように感じてしまうのは、スキーオリエンテーリングという超超マイナー競技をする被害者意識かな?
競技とは違う仕事をもちながらも、第一線で競っているアスリートにも、もっと日が当たるといいなぁ、と願う。いや、願ってばかりではなく、私も少しは貢献するぞ!
今回初めてアジア大会に種目として採用され、オリンピック種目となるための一歩をさらに踏み出したところ。8年連続全日本男子チャンピオンは堀江守弘。