●人、●%、●億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

【10円】ゲリラ豪雨で電車ストップで大混乱、の夜に娘が、家族が学んだこと

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 この週末、日本各地で梅雨が明けましたね。先週はずっとジメジメした天気が続き、地域によっては集中豪雨で大きな被害が出ています。その地域にお住まいの方々にとっては、梅雨終盤ならではの豪雨、では片付けられない話です。報道に映し出される被災状況を目の当たりにすると、本当に心が痛みます。
 
 わたしが住んでいる名古屋郊外でも先週後半、まさにゲリラ豪雨で河川が氾濫し、JRも私鉄が長時間ストップしたことがありました。その夜、わたしが帰宅すると、娘から帰宅できないという一報が入っていました。電話を受けた妻によれば、通学に利用している私鉄線が不通となっており、足止めとなっているようです。外はまだ強い雨が降り続いていました。
 
 数本動いた、超満員の電車に何とか乗り込んで、自宅最寄り駅まであと3駅というところまでたどり着いた娘を、クルマで迎えに行きました。こんなときはみな考えることが同じですから、駅前はひどい渋滞。やむを得ず数百メートル離れたところにクルマを止めて、そこから徒歩で駅まで行き、改札口で娘を見つけて、やっと一件落着。電話連絡を受けてから、すでに約2時間が経過していました。
 
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 実は、もっと早く、別の駅で娘と落ち合うことができたはずでした。しかし娘の携帯がバッテリ切れで連絡がつかなくなり、途中で公衆電話から入った一度きりの連絡で落ち合う駅を指定したため、途中で変更することができず、余計に時間がかかってしまいました。

 帰りのクルマの中で、娘は一気にまくしたてました。

「ほんとに疲れた。携帯のバッテリ切れなんて最悪だわ。わたしが悪いんだけどね。でも、途中の駅で近くの人が携帯繋がらない~って言ってたから、こんなときは携帯もダメなんだよね。ホント焦ったわ」
「公衆電話って、小学生のとき以来使ってないから、使い方なんてすっかり忘れていて。10円玉入れたら、すぐ戻ってくるし。壊れたかと思ったら、後ろのおばちゃんが、受話器をとってから10円入れなさいって怒ってくる。すみませんすみませんって。あー恥ずかし」
「話してたらすぐに切れちゃうし。えーっそんなぁって、仕方ないから50円玉入れたら戻ってくるし。10円玉1個しか入らないって、公衆電話ってホント不便だわ」
「駅の改札に人が殺到して駅員さんに大声で怒鳴ってた。みんなパニくってる感じで。駅員さんがかわいそうだった。でもちょっと怖かった」

 娘の話を聞いて、わたしはちょっと考えてしまいました。そういえば、娘に公衆電話の使い方って教えたことなかったなぁ。小学校で教えてもらっていたようですが、仮にそうだとしても、何年も使わなければ忘れてしまっても仕方ない話。だから、10円玉はまとめて数枚入るってことも、お釣り(使わなかった分)は戻ってくるってことも、10円では市内通話でも数十秒しか話せないってことも、50円玉は使えないってことも、グレーや緑の電話機なら100円玉は使えるけどお釣りは出ないってことも、娘は残念ながら覚えていなかったわけです。
 
 これ、携帯が子どもたちにも浸透している時代だから、で済ませてはいけない話なんですよね。子どもだけじゃありません。最近では財布の中に小銭が少ない。おサイフ携帯や電子マネーの普及で、小銭すら使う機会が減っていて、運が悪いと10円玉がないってことだってあり得る話です。うちの娘はまだそこまで使っていないので、財布の中には小銭がたくさん入っていたようですが。また言うまでもなく、仮に携帯を持っていても、災害時には使えないことも想定しないといけません。
 
 その夜。娘たちと、いろんな話をしました。公衆電話の使い方に始まり、話はどんどんふくらみました。今回はこのレベルですんだけど、いざ災害、自分たちが被災というとき、どうしたらいいのか。話は多岐にわたりましたが、最終的に、テレカ1枚と【10円】玉3枚を、カード入れに常備することを約束し、伝言ダイヤルの使い方と緊急時の連絡先の確認をしました。とりあえずのつたない結論で恥ずかしいのですが、いろいろ考えるきっかけをもらった、梅雨明け直前の夜でした。

Comment(6)

コメント

なっしゅ

今時、待ち合わせすら携帯電話なしではできません。いつからこうなってしまったんでしょう。
電話のテクニックとしては、10円で発信して相手が出たら100円を入れるというのもありましたね。
災害時においては失われた技術に頼らざるを得ない現実。しかし私の行動範囲では公衆電話がどんどんなくなってます。どうやって連絡を取り合えばいいんでしょうかね。伝言ダイヤル等の方法を改めて確認すべきですよね。

774

現行の電話機だとコストの兼ね合いで電子マネー対応等は出来ないんでしょうね。
実現しても停電時に使えなくなっちゃうって問題もありますし。

なっしゅさん、774さん、コメントありがとうございます。
 
公衆電話の数が減っているのは、需要からすれば必然なのかもしれませんが、
役割から考えると、ある程度は必要で、その線引きが難しいですね。
電子マネーへの対応は電話機製造コストとの兼ね合いで厳しいというのも想像できます。
ただ、公衆電話の役割が緊急時のインフラへと変化しつつある、と考えれば、
使う側が学ばねばならないこともあるでしょうし、
提供する側も設置場所や台数、電話機に備えるべき機能などの適正化をより考えるべきなのかもしれませんね。

こちら、とても重要なことですね。
海外のインフラの整っていない国へ行った際も、同様でした。
公衆電話のかけ方がわからず、一度決めた待ち合わせ場所、時間が変更できませんでした。。。

ここ数年、特に個人が自由自在に移動して、コミュニケーションができるようになっていて、それを前提に生活をしていると、その手段が失われたときにどのようにして連絡をすればよいのかがわからなくなります。

個人としてできることは、今ある災害時のツールをどのように活用するかを確認しておく程度になってしまいそうですね。
一度、大きな問題になると一気にそのあたりが進歩するのでしょうが・・・。

川上さん、コメントありがとうございます。レス遅くなってしまいごめんなさい。
 
わたしも初めての渡米でホテルに到着遅延の連絡を公衆電話からするときに、とても苦労した思い出があります。
なんでもそうですが、自分がその立場にならないと、痛みを感じないと、何が問題なのか、どうすればよいのか、考えることってなかなかしないんですよね。かなり自戒の念をこめてますけど(笑)
今回は軽症ですみましたが、重症を負う前に対策を打ちたいと自分に言い聞かせています。

横堀 誠

世の中これだけ携帯電話が浸透すると、常に人とつながることが出来ると錯覚するのでしょう。どのように携帯が繋がるのかの仕組みもあまり知られていないのではと心配になります。決して携帯はトランシーバーではありません。基地局が電波を拾えなければ、繋がりません。まして山の中では・・・。山で遭難しても携帯があればの誤解が結構蔓延しているように思えてなりません。各キャリアは人口カバー率何パーセントなどとカタログには記載しているようですが。やはりある程度はアナログが必要な場合もあるということを再認識するいい機会なのでしょう。20年位前は、連絡が取れない場合の諦めというのもある程度はあったし、それなりの事前の取り決めのようなことをしていたような気がします。決して便利に慣れてはいけません。

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