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【-2℃】記録的猛暑だからこそ知りたい、「打ち水」の科学的効果

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 梅雨明けと同時にやってきた夏本番。半端ない猛暑が続いていますね。昨日の東海地区は記録ラッシュだったようで、猛暑の本場(?)ご存じ岐阜県多治見市では、7月の観測史上最高となる39.4℃を記録。名古屋市でも38℃と熱波が覆っています。
 
 昨年のこの時期、当blogでも「夏の歳時記、簾(すだれ)を下げてみました」を紹介したのですが、ここ最近、我が家で実践しているのが、「打ち水」です。地球温暖化対策なんて大袈裟なことを申し上げるつもりなどありません。単に庭の草木への水やりをちょっとだけ延長して、水を玄関周りにまき散らしているだけなのですが、これ、気分だけでも涼しさを味わうことができます。

 少し前のニュースで、名古屋市が「打ち水大作戦」と称して打ち水運動を展開していることを知りました。

…(前略)…少しでも気温を下げようと「名古屋駅地区打ち水大作戦」がこの日午後、名古屋駅前のミッドランドスクエア周辺などであった。名古屋駅地区街づくり協議会(神尾隆会長)の主催。
 浴衣姿の名古屋モード学園の生徒65人ら約200人が手おけや洗面器の水をひしゃくや手で歩道にまいた。水が蒸発する際、地表の熱を奪って周囲の気温を下げる効果がある。まいた水は約1000リットルで、8割が雑用水、2割が期限切れの備蓄飲料水だった…(後略)…

毎日.jp 2010年7月20日 23時01分 配信記事より一部引用

 この「打ち水」運動は、名古屋市に限った話ではなく、全国各地で行われていますね。調べてみると、「打ち水大作戦」と称した活動を行う全国組織がちゃんとあるんですね。詳しくはこちらをご覧ください。
 
 ところでこの「打ち水」、気分はともかくとして、本当に効果があるのでしょうか。
 
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 少し古い話になるのですが、2003年に木内豪・福島大学助教授(当時)らが「大江戸打ち水大作戦」の際に試算し、実際に「打ち水をすると気温がおよそ【2度】下がる」という結果を得たという報告がされています。

…(前略)…木内教授たちのグループは、東京23区内の土地利用状況を調べ、打ち水が可能な面積を40%(265平方キロメートル)と推定しました。その上で気象計算モデルを使って、打ち水の効果予測を行い、2℃から2.5℃気温が下がるという結果を得ました。
実際にも、2003年8月25日の正午に実施した時は、大手町で2.2度、練馬で2.4度気温が下がりました。
 木内教授が最初に打ち水の実験を行ったのは、今から12年も前の1993年8月13日。長岡市で融雪用の地下水を夏に使う実験が最初でした。当日、最高気温は28度。道路500メートルに4時間の打ち水を実施した結果、気温で1度、体感温度は4度程度下がったといいます。
 また、打ち水をした所としていない所で最大で秒速1メートルの風速の違いも計算されました。これは、「打ち水を実施したところと、実施しないところで気温差が生まれ、空気は重いところ(気温が低いところ)から軽いところ(気温が高いところ)に流れるので、風が発生したと思われる」(木内教授)…(後略)…

環境省「チームマイナス6%」あらため「チャレンジ25キャンペーン」Webサイトより一部引用


 実際に打ち水をする場所の条件、気象条件などで効果が変動することは言うまでもないでしょう。でも木内教授が示したことように、「涼しげな感じ」という感覚的な効果だけでなく、およそ【2℃】程度は物理的な気温逓減効果があるという結果が出ているわけですから、これは四の五の言わずに鵜呑みにしてみたい(笑)。
 
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簾、浴衣、打ち水…日本には、伝統的に伝わる、「涼感」を演出する物が数多くあります。もちろん科学的な裏付けがあるにこしたことはないでしょうが、感覚的な「涼感」だけでもOKと言いたい…それくらい暑さ厳しき梅雨明け十日となっている気がします。 
 
 ただし、この打ち水、日差しがきつい日中に、日が直接当たっているコンクリート上にやると、すぐに気化して水蒸気となり、かえってムンムンとしてしまうことがあります。これこそ、「焼け石に水」ですからご注意を。できれば朝方や夕方などに行うのがよろしいかと。これ、経験者は語る、です。

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