中村昭典の、気ままな数値解析:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 中村昭典の、気ままな数値解析

○人、○%、○億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

 先週、【18歳】で最年少賞金王に輝いたプロゴルファーの石川遼選手。獲得した賞金額は約1億8352万円。これまでの最年少記録が1973年・尾崎将司選手の26歳といいますから、石川選手の記録がいかに驚異的か、よくわかります。
 
 翌日のスポーツ新聞で
石川選手の小学校卒業文集を見ました。そこには、想像できないほどに具体的な目標が記されていました。

  • (前略)…
    二年後…中学二年生、日本アマチュア選手権出場。
    三年後…中学三年生、日本アマチュア選手権(日本アマ)ベスト8。
    四年後…高校一年生、日本アマ優勝、プロのトーナメントでも勝つ。
    六年後…高校三年生、日本で一番大きなトーナメント、日本オープン優勝。
    八年後…二十歳、アメリカに行って世界一大きいトーナメント、マスターズ優勝
    これを目標にしてがんばります。マスターズ優勝はぼくの夢です。
    …(後略)

 「あかまっちゃんの日記」より一部引用させていただきました

 卒業文集といえば、すでに大リーガー・イチロー選手のものが有名ですね。すでにご存じの方も多いかと思います。

  • (前略)…中学、高校で活躍して高校を卒業してからプロに入団するつもりです。
    そしてその球団は中日ドラゴンズか西武ライオンズが夢です。
    ドラフト入団でけいやく金は、一億円以上が目標です。
    ぼくがじしんのあるのは、投手と打げきです。
    去年の夏ぼくたちは、全国大会へいきました。
    そしてほとんどの投手をみてきましたが、自分が大会ナンバー1投手とかくしんできるほどです。
    打げきでは県大会、4試合のうちに、ホームランを3本打ちました。
    そして、全体を通した打りつは5割8分3りんでした。
    …(中略)…
    そして、ぼくが一流の選手になって試合にでれるようになったら、お世話になった人に、招待券をくばって、おうえんしてもらうのも夢の1つです。
    とにかく一番大きな夢はプロ野球選手になることです…(後略)

 「若松高校野球部父母会非公式掲示板」より一部引用させていただきました

 石川選手・イチロー選手ともに、具体的で超リアルな目標設定がなされていることには驚くばかりです。小学6年生にしてこの明確さと自信。これはどこからやってきたのでしょうか。
 
 ::: ::: :::
 
 コーチングのトレーナーなら、ここで目標設定の重要性やら設定の方法やら、諸処解説していただけるのでしょうが、わたしには役不足ですから、そこはおいといて。どんなことでも同じでしょうが、目標が具体的に立てられるためには、いろんな条件が必要になってくると思います。
 
 
小学6年生の段階でこれだけの目標設定ができるようになるには、少なくともこの段階で相応の自信がないと無理でしょう。イチロー選手の文集にはその片鱗がよく出ています。つまり、この段階ですでに試合に勝つ喜び、上達する快感を味わっていたと。そしてもっと上の目標像を具体的に見せられていたはずです。でなきゃ、小学生がマスターズなんて知らない(笑)。
 
 たとえば、
遊びたい盛りに、それを置いてでもゴルフや野球に時間を割いたのには、そこに導いた指導者の存在、特に親の強い意志があったことを想像します。もっといえば、目標などまったくわからないような幼少期に、半ば強制的に、有無を言わせず練習に追いやった親の忍耐力を思い浮かべます。その覚悟というのはハンパなモノじゃないはずです。子どもの嫌がることをさせたがらない親が多いのが今の時代。両選手の素質を見抜き(いや、信じ)、ひたすらクラブやバットを振らせた親の姿は、なかなかマネできないのではないでしょうか。少なくともわたしには絶対できないな。
 
 ::: ::: :::
 
 がらりと変わって、昨今冷え切っている大学生の「就活」の話。著書『親子就活』の中でわたしは、就活にあえぐ我が子に対して、親が「おまえの好きなようにすればいいというのは、本当の優しさだろうか」と投げかけました。一見、理解ある、包容力ある親の言葉に聞こえますが、今の厳しい就活を前にし、事情もわからず、単純に理解ある親を演じることは一番簡単なことだと、敢えて論じました。本当に理解ある親は、子どもの意志に耳を傾け、そのすべてを受け入れた上で、親にしかできない向き合い方をすべきではないかと提案させていただきました。
 
 もし石川遼選手・イチロー選手の親御さんだったら、今の親子就活時代にどんな向き合い方をしたのだろう…ふと気になってしまいました。。。

中村昭典

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中村昭典

元リクルート・就職情報誌編集長。現在は大学でキャリア支援領域の教育研究者。
「一人でも多くの人に、働く楽しさを伝える」をテーマに、いろいろ試行錯誤する日々です。
趣味は海山畑で食材を調達すること、カフェで一人ボーっとしながら人間観察すること

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