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【273万人】 ガテン休刊が意味する、重いもの

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 この9月30日、リクルートが発行する現業系求人情報誌「ガテン」が休刊します。ガテンの創刊はバブル崩壊直後の1991年。創刊編集長である道下裕史氏は、フリーターという言葉の名付け親としても有名です。最盛期には発行部数で10万部を超え、「ガテン系」=いわゆるブルーカラーの仕事、という言葉も通用するようになりました。しかし景気減速の波に飲み込まれ、今では発行部数も4万部強にまで減少。その役割をネットとフリーペーパーに譲ることになったというわけです。
 
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 リクルートが市販求人情報誌として
「就職情報(後のB-ing)」を創刊したのは1975年、「とらばーゆ」の創刊は80年。その後、82年にはアルバイト情報誌「From A」、91年には現業系求人情報誌「ガテン」などを続々と創刊し、それまでの新聞の求人欄や地域の新聞折り込みチラシによる求人から、市販求人情報誌による仕事探しというスタイルに移行していきます。
 
 しかし、インターネットの登場で時代は大きく変わります。情報の検索性、リアルタイム性などの圧倒的優位性から、求人は市販誌からネットへと移行をしはじめます。リクルート初の転職情報サイト
「Digital B-ing(現リクナビNEXT)」がサービスを開始したのは1996年。この年には新卒者向けの情報サイト「RECRUIT BOOK on the Net」も同時にサービスを開始しています。
 
 そしてネットへの移行は年々加速。ついに「B-ing」が2008年3月に休刊したのを皮切りに、「とらばーゆ」「From A」も休刊し、役割をネットへと完全に移行させます。そして今年9月には、ついに「ガテン」が休刊となり、今後はネットとフリーペーパーである「TOWN WORK」に役割を移管することになったわけです。
 
 現在リクルートが運営する転職情報サイト・リクナビNEXTは、会員数/約【273万人】オープンオファー利用者(匿名の履歴書を登録し、企業からの逆指名を待っている人)/128万人(共に2009年3月現在)。年間総応募数は270万4,384件(2008年4月~2009年3月)を誇ります。まさに職探しならまずネットで情報サイトに登録というのがスタンダードな時代になりました。
 
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Photo_8  ガテンの休刊は、実は大変大きな意味を持っています。これでリクルートが発行する市販求人情報誌はすべて休刊。リクルートは、「就職情報」に始まる市販誌求人情報誌の発行を通じて、それまで新卒採用中心だった企業の雇用戦略を、新卒+中途という複線化に導いていきました。転職が身近になり、今やキャリアデザインにおいて転職するのは当たり前のステップになっていますが、この背景には、リクルートが市販誌を通じて転職マーケットを育て、活性化させることに大きく寄与したと思われます。
 
 そして今、
リクルートは「ガテン」の休刊により、自ら築いてきた歴史の一幕を、自ら降ろそうとしているのです。私がリクルートに在籍時に担当した「とらばーゆ」が休刊したときには、大変感慨深いものがありましたが、今回の「ガテン」休刊には、それ以上に重いものを感じています。。。

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