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【100ルピー】 交差点で、突然、女子大生からバラの花をもらったら、、、

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 「勉強しないとダメじゃない!」って言われると、もう勉強なんかしたくなくなる。そんな経験、子どものころに誰でもありますよね。勉強に限らず、「ここ入っちゃダメ!」って言われると、つい入りたくなっちゃうとか、「弟を泣かせちゃダメじゃないか!」って叱られると、兄貴って損だよなってふてくされて、また泣かせたりとか…すみません、私のことです…。特に、当たり前のことができていない時に、「ダメじゃないか!」って偉そうに説教なんかされたりすると、無性に腹が立つ。自分が悪いくせに。これって人間の性なんでしょうかね。

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 前置きが長くなりました。インド東部オリッサ州の警察当局が、後を絶たない二輪車の交通事故対策として、ヘルメット着用の重要性を訴えるため、“画期的な作戦”を開始したそうです。

 交通事故による死亡率が高いオリッサ州では、毎日10人以上が交通事故により命を落としているそうです。その中でも二輪車による事故死が急増。同州では、二輪車に乗るときに、ヘルメットを着用していないドライバーには1回につき【100ルピー(約190円)】の罰金が科せられることになっていますが、違反者数は毎日200~300人以上にのぼり、一向に減少する兆しがないとか。

 そこで同州の警察当局が、地元の工科大学に通う学生ボランティアたちの力を借りて、ヘルメットを着用している優良ドライバーにバラの花をプレゼントするという作戦を開始しました。逆にノーヘルのドライバーには、ラキ(兄弟姉妹同士が手首に巻き合う、お守り代わりのひものこと)」が巻かれます。

 男性ドライバーには女子大生が、女性ドライバーには男子大生が対応。作戦に参加した学生たちは交差点で二輪車を止めて、バラの花を渡したりラキを巻いたりと奮闘したそうです。11月23日から開始されたこのキャンペーン、効果はテキメンだったようで、上々の反応に気をよくした警察当局は、今後も抜き打ちで週に2回のペースで作戦を実施するとのことです。

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 想像するに、女子学生にラキを巻かれてる男性ドライバーは、ちょっとカッコワルイかもしれませんね。お守りだから、引きちぎって捨てることもできないし。私だったら、【100ルピー】の罰金取られるより、恥ずかしくてイヤかも。

 逆に女子大生からバラの花をもらえたら、そりゃちょっと(かなり?)嬉しいかも、じゃなくて、嬉しい。ひょっとしたら、交差点で突然、しかも見知らぬ女子大生から、なんとバラの花を渡されたら…あらぬ勘違いしちゃうかもしれない。少なくともヘルメットはこの先もかぶっちゃいますよ、間違いなく。あぁ、なんて単純。この作戦、人間の本性ってヤツをよくつかんだ上手なやり方だと思いますよね。

 「交通ルールを守らないとダメじゃない!」って叱るより、「守ってるねぇ、偉いなぁ、はい、ご褒美ね!」って褒められる方が、そりゃ気分がいいわけで。これって、交通ルールだけじゃなくて、インドに限らず日本に限らず、いろんなことに当てはまると思いませんか。やっぱり人間は叱られるより褒められる方が気分もいいし、その方がやる気になります。ネガティブなアプローチも時には必要でしょうが、できるだけポジティブな方がやってる方もやられる方も気分がいい。

 それにしても、インドの警察もうまい作戦を考えたもんです。。。

    ※ニュースソース:Web-Tab - ニュースに出ないニュース News! 10月28日付

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