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【1,941件】 iPhoneを孫のためにって…おばあちゃん、そりゃやめた方がいいかも

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 7月11日のiPhone3G発売日。webでもTVでも新聞でも、iPhone“騒動”がレポートされてましたね。私も、ものすごく欲しい。でも、機種変更を受け付けていないことと、元々携帯でwebを見ることがほとんどない(ってゆーか、老眼が始まった私にとって、携帯画面のwebチェックは拷問に近い)ため、5,985円というパケット定額料金を払ってまで買うか、という2点で決断できないまま、7月11日を迎えてしまいました。何ともオルタナ・ブロガーらしからぬコメントで申し訳ないのですが。

 メディアでwebで一斉にiPhone購入者の行列が報じられた発売日の夕方、私が回ってみた近隣の家電量販店では、回った3店舗のいずれにもiPhoneの在庫がありました。

 「なーんだ、まだあるじゃん…」

 数日前から徹夜で並ぶ若者たちの姿を伝えたニュース報道は、ある一部の店舗にフォーカスした演出だったのか。 たまたま回った家電量販店への供給が潤沢だったのか。それとも名古屋の郊外が、穴場だったのか。真偽のほどは判りませんが、とにかく、並ばなくても買えた、というのは本当です。ちなみに大学の同僚は、東京出張から夕方戻ってきて、自宅近くのSoftbankショップでゲットできたそうです。

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 途中、とある家電量販店の携帯売場で、一人のおばあちゃんが店員さんにiPhoneのことで相談している光景に出くわしました。

 「中学の孫が携帯欲しがってて、買ってやろうと思って…」

 どうやら、どこかでiPhoneの人気を聞きつけ、孫のために買いに来たらしいのです。おばあちゃんは財布を片手に握りしめ、そりゃもう買う気満々という感じです。店員さんがどんな説明をしたのか、そこまではわかりません。が、結局、契約のための本人確認書類を持ち合わせていなかったようで、あきらめて帰っていきました。もちろん、私がどうこう言う話ではありませんが、が、でも、その後ろ姿がどうにも気になってしまいました。

 もし、もし仮に首尾良くiPhoneが買えた場合、おばあちゃんの思惑どおり、お孫さんは喜んでくれたんでしょうか。絵文字が使えないとか、ワンセグがないとか、おサイフケータイじゃいとか、、、せっかくおばあちゃんが苦労して買ってくれたのに、文句言ったりしないだろうか…とまぁ、よけいなお節介が頭をよぎってしまいます。おばあちゃんは、単に孫の喜ぶ顔が見たかっただけなんだよね、と思う一方で、だったら、絵文字も使えてワンセグもついてる別のケータイの方がいいかもよ~って思ったりするわけです。気持ちはわかるけど、iPhoneはそーゆー商品じゃないかもね。おばあちゃん、買えなくて残念だったけど、これでよかったかもよ~。

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 iPhoneは画期的な製品であると、私も思っています。「2008年はインターネットマシン元年」という孫さんの言葉を借りるまでもなく、新しい携帯のカタチを提供したマシンであると。だからこそ、発売日が近づき、行列を報じる夕方のニュース番組を目にするにつれて、正直、私はちょっと冷めてしまったかもしれません。webやメディアでの露出が過熱した結果、ある時点で、iPhoneそのものの価値とは別の次元で、iPhoneが歩き出してしまったような感があります。行列に並ぶ若者たちは、iPhoneの素晴らしい機能に、デザインに憧れて、徹夜の行列に参加しているんだろうか。ひょっとしたら、iPhone発売というイベントを面白がっているだけじゃないのか…。だったら、2年で20万円以上も払うことになるのに、ちゃんと使いこなせるんだろうか…。iPhoneのファンになってくれるんだろうか…。余計なお世話だとわかってますよ。すみません。

 Googleニュースで、7月10日~12日の発売日前後3日間で「iPhone」をキーワード検索した結果、【1,941件】がヒット。マスメディアの報道がヒートアップしているのを裏付けるのに十分な数値だと思います。6月末に発売された雑誌・MacFan8月号の表紙に踊ったタイトルは、「iPhone狂想曲」でした。今回の状況を予測していたのでしょうかね。ともかく。この宴の後が、すご~く気になります。。。

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