インターネットが生んだコピペ文化の日本式とコピペタブーのアメリカ式との融合
ネットが生んだ文化という本を読みました。
監修は、日本最大のネットメディア「ニコニコ動画」の川上量生さんです。
※個人的には、ニコニコ動画を見たことないのですが。。
インターネット時代の新たなカルチャー(非リア、炎上、嫌儲、コピーの4つのキーワード)
を数名のインターネット関連の方々が書いています。
インターネット業界に勤める者としては、大変興味深い内容である一方で、
新たなネガティブと言われる文化を生み出している一員ではある
という認識も必要なのではと改めて考えさせられた本でした。
※インターネット業界といっても当然幅広く、いわゆるメディアもあれば、メディアを広めるためのマーケティングもあり、エンターテイメント系もあれば、情報サイト系、ネガティブ系、、、などありますが、新たな文化を作っていることは事実ではあるかなと。
その中でも、日本のコピペ文化というところがとても面白かったです。
日本のコピペ文化は、鎌倉時代からの伝統的な文化、一方でアメリカは、コピペはプラジャリズムと呼ばれていて剽窃・倒錯にあたり大学のレポートなどでいわゆるコピペ(プラジャリズム)がみつかると懲罰・退学処分になるほどの厳しい罰があります。
日本のコピペ文化は、伝統的。発祥は、本歌取。
所謂和歌の技法で、元になる歌から表現の一部を取って別の文化にするものである。
この技法は、鎌倉初期の歌人藤原定家が新古今和歌集で完成させたと言われています。
例えば、
駒とめて 袖うちはらふ かげもなし 佐野のわたりの 雪の夕暮れ
藤原定家
この歌の元の歌は、万葉集にある
若しくも 降りくる雨か みわのさき 佐野のわたりに 家もあらなくに
長忌寸奥麻呂
になります。
こちらも佐野のわたりにが舞台でここをコピペして発展させた歌と
されています。本歌取は日本の文化、コピペ文化は情緒溢れる伝統文化
からスタートしたのです。
インターネットも元々は、コピペからスタートしており、
懐かしのナップスターがあり、映画や音楽、情報などコピペ文化があります。
コピペが無ければ、こんなにもインターネットはスピーディーに広まっていなかったのかも
しれません。
ただ、昨今は状況が変わってきています。
インターネットと言えば、アメリカ発のGoogle。
Googleは、コピペが大嫌い。検索エンジン上で上位表示を目指す際に、
色々な要素が必要になりますが、その中のひとつとして、
サイトから別サイトへ文章をコピペしたものは、Googleの評価が低く、圏外に下がってしまいます。コピペ(プラジャリズム)はインターネット上で罪というのがアメリカ式として浸透してきているように思います。
これは、ここ数年内の傾向なので、日本式からアメリカ式へ移っているのか、
はたまた融合してきているのかというところではあります。