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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

要は、需給要因だけの動きなのですが・・・。

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 先週末の米国市場が堅調となったことや為替も円安気味となったことに加え、日銀のETF(上場投資信託)買取などを受けて持高調整の売り買いも見られ、日経平均は一時大幅高となるなど堅調な地合いが続きました。銀行株など金融株が売られ、同じ業種でもまちまちのものが見られ、決算動向にも素直な反応でないものも散見されるなど、堅調な地合いが続いていはいるものの、目先の需給要因に振らされているような展開でした。

 堅調ではあるのですが指数絡みの動きが主体で、底入れ感が強まるという感じでもありませんでした。円高一服を好感する動きであれば足元の業績が好調な輸出株がもっと買われてもいいのでしょうが、まだ先行きに対する警戒感が根強いと言うことのようです。為替動向に振らされるというよりは今後の為替の動きが読み切れず、為替に関係のないところでの動きとなっているような感じです。同じ業種内でまちまちとなっているところを見ると持高調整の売り買いが中心と見られます。オプションSQ(特別清算指数)に絡む動きや日銀のETF買取に絡んでの持高調整が続いているということなのでしょう。

 日経平均という指数は連続性を保つために序数調整が行われていますが、50円額面換算での単純平均株価なので、日経平均のETFを買い取るということはTOPIXなどの浮動株調整や時価総額ベースの指数と違うのです。そして、その日経平均先物も流動性があり、オプションもあることから、それらに絡む売り買いもあるということなのです。ETFに絡んでの動きといえば、ETF組成の際の持高調整で指数や個別の株価の動きが左右されることもあり注意が必要です。

 先週好感からの急騰も、ETFに絡んでの動きが主体となっている可能性もありそうです。個人投資家も元気になってきたなどと言う見方もあるようですが、日経平均やTOPIXの指数に絡む動きはあるのですが、日経ジャスダック平均などの動きは非常に悪く、決算発表が続々と行われているなかでは決算動向や為替動向よりも指数に絡む需給要因で大きく上昇となった面もあるかもしれません。ただ、日銀のETF買取で下値不安が薄れたことも確かであり、買い戻し一巡後に落ち着いたところで、円安に振れるとか、業績面から割安感が強い銘柄などに買いが入り出せば、目先の需給要因が主体とは言え、相場に盛り上がりも見られ、大きな上昇となるものと思います。

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