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雑感)なぜ、多くのシステムインテグレーターが自社製品や自社サービスで失敗するか

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オリジナルのサービスがほしい、システムインテグレーターやソフトハウス、派遣会社など、人材でビジネスをしている会社は割と多いです。

多くのシステムを作っている会社でれば、自社サービスや自社製品を簡単に作れそうな気になりますが、割と高い確率で失敗しているようです。

今日は、自社製品や自社サービスを立ち上げられる会社とそうでない会社は何が違うかをちょっとだけ考えてみました。

そもそも自社製品や自社サービスは多くの方が汎用的に使うことを考えなければなりません。つまりシステムというか機能の設計がとても重要です。しかも、同じような製品がたくさんある市場でも売れる製品とそうでない製品がある通り、機能のバランスやUIなど、設計部分がとても重要です。さらに、1stバージョンからいきなり売れることはまれなので、3バージョンくらいまで、改修し、さらに競合に勝ち続けるために、新機能の設計を続けなければいけません。

この設計ができるかどうか、また売り上げが上がるまで、経営陣が待てるかどうかがとても大事です。

たまに、「製品をリリースして1年で回収したいんですけど」といわれることがありますが、1年で回収できる程度の機能であれば、特殊な技術があるか、突出した設計者がいなければ、すぐにまねされます。1年でバーンと売れるにはマーケティングにおいても、かなりのノウハウが必要なので、その会社にそういう文化と体制がないと、まず無理です。

話は設計の話に戻って、製品設計者、サービス設計者、この人材が日本には少なく、この人材を確保できるかどうかが、自社サービスと自社製品が成功するうえで、かなり重要になっています。もちろん、モノづくりの上で、他にも成功要因はたくさんあります。ただ、いろいろな会社を見ていて、この部分が一番欠落しているような気がしています。

ありがちなのは、教える人がいないのに言いだしっぺの未経験者が企画者になったり、若くて元気がある人が、ノリで企画者になったりです。会社が人材を育成するつもりで、投資するならいいのですが、まじめに売り上げを上げに行くのであれば、プロを雇うべきです。もしくは、長い時間をかけて教育して育てるべきです。

成功している会社にはかならず、設計者がいます。

偶発的にたまたま、その会社にいるか、育てられたかは別にして、必ずいます。

日本に、設計者がもっと多くなればなるほど、世界に通用する国産サービス・製品が増えていくように思えます。

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