ソフトウェア開発技術者試験は午前が大切
ソフトウェア開発技術者試験の試験範囲は広いので、受験に際してはしっかりとした心構えが必要です。
昨年の春からSEとなり、これまでに基本情報技術者に合格した方はたくさんおられると思います。基本情報技術者の場合は試験範囲も狭いですので、詰め込みの勉強をするだけでも合格できる人はできてしまいます。中には入社前に通信教育を受けただけでも基本情報技術者に合格したという人もおられるでしょう。
ところがソフトウェア開発技術者試験から先はそういった瞬間最大風速に頼っては合格が難しくなります。ソフトウェア開発技術者について具体的な難所を挙げるならば、午前試験の範囲が広くなることと、午後試験が選択問題でなく、記述をしなくてはならないというところにあります。
ソフトウェア開発技術者の午前試験の知識は、基本情報技術者で学んだことの上に積み上げる形になります。基本情報技術者の試験に際してはネットワークがほとんどわからない、SQLを自分では組めないというレベルでも何とかなったかもしれませんが、ソフトウェア開発技術者の勉強をしようとした時にその上に知識を積み上げることができなくなります。
午後試験は午前試験レベルの知識があることを前提に出題されます。また、問題の内容は1つの『問い』についていくつかの設問を答えながら進む形になっていることもあります。Q1の解答次第でQ2の解答が変わってしまうこともあります。もちろん、Q1が間違っていればその問いは全滅になります。そうすると、もし自分の知らない分野について出題されれば、大きな問題を丸ごと失点することになってしまうかもしれません。
過去の傾向からして、午前試験のレベルを逸脱するような難しい『問い』が出たことはありません。そのことから、午前試験こそがソフトウェア開発技術者のポイントになると思います。私の身の回りを見ていると、午前試験で90%の正答が出せると午後試験については必死に勉強しなくとも良い成績が取れるようです。また、午前試験がボーダーライン上にあるような成績では午後試験の勉強に力を入れてもあまり良い結果が出ないようです。
午前試験をそこそこにして午後試験に集中するのがお薦めできない理由としてひとつ考えられる事があります。午後試験への取り組みが午前試験とリンクしにくいという事です。
午前試験の知識が十分にある場合は、午後試験について勉強している時も、それが午前試験の範囲のどの分野の問題に関連しているか意識する事ができ、知識が深まります。反対に午前試験の勉強が満足でなくカバー範囲に虫食いができてしまっている場合は、午後試験でその苦手分野について取り組んだとしても基本的な用語が理解できないなどの原因で効率がダウンします。
中には実務で一度も扱わなそうに感じる知識もあることと思います。(というか全分野にわたって業務経験を積むことのほうが少ないでしょう。)電話、論理回路、CPUの仕組などは活用する機会が無いかも知れません。そこのところは「あくまで受験知識」として割り切るのも良いでしょうが、「プロとして知っておくのが当然」として正面から取り組むのが良いように思います。興味が湧けば理解も早まりますので、参考書を丸暗記するだけでなくwikipediaなどネットを活用しておもしろい裏話などを探してみるのは理解の助けになる事でしょう。
(関連エントリ)
一般システムエンジニアの刻苦勉励 > ソフトウェア開発技術者に合格すれば・・・
http://blogs.itmedia.co.jp/yohei/2007/04/post_7927.html
一般システムエンジニアの刻苦勉励 > ソフトウェア開発技術者試験の勘所
http://blogs.itmedia.co.jp/yohei/2007/08/post_7878.html
一般システムエンジニアの刻苦勉励 > 春の情報処理技術者試験
http://blogs.itmedia.co.jp/yohei/2007/04/post_4d65.html
2008年春期の情報処理技術者試験のインターネット申込みの締切りは、下のとおりです。受験予定の方はお申し込みをお忘れなく。
基本情報技術 |
2月27日(水)の午後8時まで |
ソフトウェア開発 |
2月26日(火)の午後8時まで |
情報処理推進機構:情報処理技術者試験センター:インターネット受付
http://www.jitec.jp/ap_net_kojin.html