わかりませんと言うには努力も必要
先日は質問する側の立場として
と申し出るには勇気がいるということを考えました。
頼られた人は「わかりません」と言われたからには、
わかるように説明をしてあげる必要があります。
今日の場合、自分は頼られた側でした。
Q. 「ASP.NET(1.1)ではFormタグは1ページに1つなんですか?」
A. 「(・・・・・・・・・・・・)そうです。」
Q. 「LABELコントロールっていうのは、何なんですか?」
A. 「Webページ上に動的に変更可能な文字列を表示するためのものです」
Q. 「LABELコントロールがSPANタグとして表示されるんですが、何のタグですか?」
A. 「(・・・・・・・・・・・・)文字列を装飾するためのタグです。」
この辺りの質問も、自分が開発をするにあたっては
気にする事もありません。
SPANタグがインライン要素でDIVタグがブロック要素であることも
言われてみればそうだと思いますが、普段の開発で
「そうだったんだ!」と喜びを感じたことはありませんでした。
このような事も初めて習う立場からして見れば
驚き・戸惑いの連続で刺激的なものであるようです。
そのようなリアクションを見ると、教える側にとっても
勉強になるところは大きいものであるように感じます。
さて、新入社員に自分の事を先生と呼ばせているわけではありませんが、
先生役の人間にとって「わかりません」と言うのはかなり抵抗があることです。
どうしても言わないといけない場合はこんな感じに足掻きます。
悪い先生
- 小難しい専門用語を並べて煙に巻く
「インターフェースがポリモーフィズムでAbstractFactoryなわけだよ。」 - 質問に質問で返す
「お前は今まで作ったインスタンスの数を覚えているのか?」 - 違う質問にすり替える
「さて、JAVAというのはコーヒーのジャワから来ているという質問だが……」 - 開き直って逆切れする
「そんなこと質問してる暇があればテスト項目を消化しろ!」 - 自分で調べて結果を報告するよう命じる
「調べるのも勉強だ。A4で3枚以内にまとめて提出するように。」 - 他人にパスする
「それは●●君が詳しい。職場の人と早く打ち解けるためにも聞いてみるといい」
こういう先生、よく見ます。職場の新入社員育成担当者は
急造の先生ですので仕方ないかもしれません。
でも自分の経験から言うと、中学や高校の
プロの「先生」でもこういう方がおられました。
良い先生
- 質問者が「もういいです」と言うまでその場で調べる
- 「わかりません」と言って、後から調べて回答する
良い先生は、その場で一緒になって調べるか、
「わかりません」と正直に言って後から調べて回答します。
このような場合、先日のエントリのように「●●なら知ってるんですが」とか
「私は●●には弱いんですよ」などと具体的にわからない部分を宣言すると、
むしろかっこいいかもしれません。一緒に学習しようという共感があります。
ピシャリと「わからない」とだけ言うとちょっと素っ気ないように思います。
悪い先生は質問そのものを無かったことにしようとしています。
これで自尊心は保たれるのかもしれませんが、
きっと質問者は「この人わかってなかったな」と感じるでしょう。
良い先生、悪い先生のどちらにしろ、教える立場に立つと
「わかりません」ということを簡単には言えません。
「わかりません」と言わないために言い訳する努力か、
「わかりません」と言って学習し直す努力が必要だということを実感しました。
私は新入社員を育成する立場なので何でも「わかりません」で済みますが、
これがコンサルティング・フィーをいただいて働く立場だったとしたら、
なんとか「わかりません」と言わずに済むようにしなくてはならないでしょう。
(参考)トラパパ@TORAPAPAより
Never say “ I/We do not know” ~ 知らないと言うな
先生が答えられない質問をしてしまうと、
質問した側が申し訳ないような気持ちになってしまいがちです。
悪いのは先生=教える側の理解不足ですので
質問者が恐縮する事はありません。
その気持ちを考えると、答えられない質問には
「良いところを突いた質問ですね。私には知識に不足するところがあって答えられません。」
⇒ 一緒に調べてみましょう
⇒ 私が調べておきますので後ほど回答します。
という感じに回答できたら良いなと思っています。
実際のところは、悪い先生をやってしまうこともあります。
(1) 悪い先生にならないためにも、
(2) 「わかりません」と言う回数を減らすためにも、
(3) 「わかりません」と言わせる回数を減らすためにも、
新入社員に戻った気持ちで色々と勉強し直したいと思います。