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日本の長時間労働問題はどこに? R25の調査では月の残業時間10時間未満が最多の結果に

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電通過労自殺事件を契機に日本における働き方の大きな変革が起きようとしてます。

単純に時間数で上限を設ける残業規制に向かいつつある動向に「本当にそれで良いの?」と思うのですが、どういう結末を迎えるのでしょうか?

工場で働く方々の行動は、秒単位で計測され、効率性や効果性が問われながら仕事を毎日されています。キャノンや日本電産について書かれた書籍には、廊下を歩く速度まで決められている様子が見受けられます。

一方、多くのホワイトカラーの仕事は秒単位で管理されておらず、多くは日単位。クリエイティブ系の仕事の場合、掛けられるコストは度外視で時間や手間をかけることを好む傾向もあったりします。

その他にも、社内への根回しなど、社内調整に掛かる経営側の問題への指摘もありますが、会社を経営する立場からすると、アウトプットの質を事前合意をとらずに無駄な仕事をして時間を浪費する従業員の問題も忘れてはいけないと感じています。

このようにブルーカラー層の秒単位で管理される働き方に比べて、日本のホワイトカラーの働き方には、まだまだ改善の余地が多くありそうです。

この観点からすると、無駄を省くことで長時間労働が適性な労働時間になるならそれはOKだと思います。

冒頭紹介した事件から長時間労働でいかに多くの人が困っているかを、あれやこれやとさんざんメディアは報じています。

そんな中でR25のこの記事が目に留まりました。

多分こちらの記事も、日本の中小企業は当然、大企業と比較すれば待遇も悪く、労働条件も悪いのが一般的な認識ですから、残業時間についてもさぞや物凄い数字が出てくるのでは?という期待があったかどうかは予想の域を出ませんが、ここで紹介されている、平均の残業時間(月間)10時間未満が30%で、割合としては一番多いというのを皆さんどう受け止めますか?

■平均の残業時間(月間)は?
【平均】22.1時間
・10時間未満 30%
・10時間以上20時間未満 17%
・20時間以上30時間未満 20%
・30時間以上40時間未満 9%
・40時間以上50時間未満 9%
・50時間以上60時間未満 8%
・60時間以上 7%
※最大:80時間/最小:0時間/中央値:20時間

記事の文章は頑張って残業が多いような表現してますが、このグラフから受ける印象は10時間未満 30%の多さではないでしょうか?

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また、これまでに最も多かった残業時間(月間)はこんな結果のようです。

■これまでに最も多かった残業時間(月間)は?
【平均】46.9時間
・20時間未満 23%
・20時間以上40時間未満 25%
・40時間以上60時間未満 25%
・60時間以上80時間未満 7%
・80時間以上100時間未満 4%
・100時間以上 16%
※最大:180時間/最小:0時間/中央値:40時間

こちらもグラフ化したものも併せて見てみましょう。

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・20時間未満 23%
・20時間以上40時間未満 25%
・40時間以上60時間未満 25%

こちらの帯域が大半を占める調査結果となっています。

この中で、100時間以上が16%あり、この改善には何かしらの方策が必要かもしれませんが、これは職種により標準化可能な仕事であれば、残業代との比較でアウトソースをする計画を実行すれば一定の改善効果は見込めるのではないかと推測します。

繰り返しますが、秒単位で管理されているブルーカラーの人たちや建設現場や飲食店などで肉体労働を含む環境化における労働を無理して長時間させてもそれは効率が悪くなるどころか事故を誘発する原因ですから、それは経営の観点からも回避すべき事柄です。

ですが、日本のホワイトカラーの生産性におけるプレッシャーは前述のような職種と比べると非常にゆるい状態であると言えます。

子育て時間、介護のためにできるだけプライベートの時間を確保しなければいけない事情もあるでしょうから、長時間労働を奨励するよりは、できるだけ短時間の働きで生活が成立することが望ましいだろうとはわたしも考えます。

ですが、今日紹介したR25の調査結果を見ると、そもそも長時間労働で苦しんでいる人たちの実態をもう少し丁寧に解明し、具体的に見えるようにしていく必要性があるのではと感じました。(調査対象が中小企業だからということであれば、それはそれで面白い知見が詰まった調査結果と言えますし)

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