社会心理学的にはブレーンストーミングが効果的じゃないってのは有名な話しらしい…
先週に引き続き、現在取り組んでいる大学の課題関係の話を書きたいと思います。
マーケティングコースを選択して、必須科目ではありませんでしたが3年時の配本で「消費者心理学」という科目がありました。これまでホームページ制作において認知心理学の重要性は分っていたので、この「消費者心理学」をきっかけに4年時は、先週受講した「ビジネス心理学入門」の他、「社会心理学の基礎と応用」といった科目も選択しました。
「社会心理学の基礎と応用」については放送大学のテキストを利用しているので、もし興味があれば皆さんも手にすることは可能な筈です。
テキストで取り上げられている題材は多岐に渡るのですが、今回紹介しておきたいのは「集団過程」というテーマにおいて、ブレーンストーミングが効果的ではないと指摘されていた事です。
「他人の意見は批判しない」「自由な発想が望まれる」「量が要求されること」「アイデアの結合と改良が望まれる」というルールが前提とすることで個人で作業するよりもアイデアが生み出せるという事で、自分もこれまでオズボーンの著書を読んだり、実際に試した事もありましたし、取引先でブレストに参加することも現在でも度々あったりするだけに、この内容はちょっと動揺してしまいました。
ブレストが効果的ではない理由については、生産妨害言われる、集団メンバーがお互いんじょアイデア生産を妨害しているというもので、集団では1度に一人しか話せないため
- 自分が思いついたときに話せない
- 他人が言い終わるのを待たねばならない
- 他人が言い終わるのを待っているうちに忘れてしまう
- 自分の意見を忘れないようにしている間、それ以外のアイデアを考えられない
このような生産妨害が生じているというもので、Strobe & Diehlの論文がテキストでは参考文献として挙げられています。
そして、現在ではブレストをするよりも、まず一人一人が個別にアイデアを考え、その後に集団で討議するほうが効果的であると見られていること。章を改めてインターネットを利用した電子ブレインストーミングにおいてはこのような問題を克服できる可能性があるという研究結果を紹介しています。
集団が決して効率的ではないという結果が社会心理学の研究においては示されているという話しや、別テキストになりますが、この他にも「グループとしての協調行為」であったり「社会環境と適応行動」といったテーマで登場する研究例は自身の仕事で経験する事柄とリンクしている事も多く、大変参考になっています。
今日ご紹介したブレストの問題点、放送大学の教科書として採用されている事実を踏まえると、今後取引先とかで課題に対してブレストやりましょうと言われたとき、メンツを重んじる日本社会の場合、顔に出さないようポーカーフェースで凌ぐしかないですかね。