自社サイトとアマゾン連携を実現したハリー・ポッターの電子書籍販売サイト「Pottermore」から学ぶべきこと
今日は先日当ブログで紹介した、一般社団法人メディア事業開発会議(MEDIVERSE)の
これを聴講してきました。
時を同じくして「ハリー・ポッター」シリーズの専門サイトPottermoreがハリー・ポッターの電子書籍を販売開始しており、Amazon.comもKindle向け電子版の専用ページを公開しています。
MEDIVERSEのセミナーでは、こちらの資料をベースにAmazonについての考察や解説が行われ、
ebook2forumの鎌田さんは、インターネット環境を使いこなす「サービス指向」IT(超システム工学)という解説をしているのですが、Amazonと連携したPottermoreも電子書籍時代のサイトの構築事例として非常に参考になる作りになっています。
まず最初にご紹介するのはPottermoreでの購入完了後、ファイルのダウンロードを行う画面で、各デバイス向けのボタンと、ダイレクトダウンロードのリンクが表示されています。
ダイレクトダウンロードをクリックすると自身のマシンにそのままダウンロード、iTunesに登録するなり、ビューワーで見るなり、自分の好きな方法で閲覧できます。
そしてソニーリーダーやキンドルのリンクをクリックするとどうなるのか?を試してみます。
アマゾンのキンドルを書かれたところを選択すると、こんな感じでアマゾンのアカウント連携した情報が表示され、
send my book ボタンを押すとアマゾンのアカウント管理画面にジャンプ、
キンドル用に購入したリストに自動で追加されています。
この管理画面から、右側のアクションボタンから配信先を指定して、PCでそのまま見ることもできますし、
自分のデバイスに転送を選択すれば、
即時に電子書籍が転送されます。(iPhoneのkindleアプリを立ち上げると自動でファイルのダウンロードが開始されます)
特筆しておきたいのは、最初にPCにダイレクトにダウンロードしたePubはDRMフリーなこと、そして後からアマゾン経由でPCとiPhoneで見ていたファイルは追加購入なしで、Pottermoreのアカウント画面からアマゾンに接続して自身のデバイスにファイルを送ることができる点を挙げておきたいと思います。
しつこいようですが、わたしとしてはアマゾンがKDPという出版サービスを日本に持ち込むと、このプラットフォームを個人でも利用可能になるのはほんと素晴らしいことだと思っていて、
更に、販売力が見込めるコンテンツであれば今回ご紹介したPottermoreのような自社サイトとアマゾンを連携したサイト構築をすることで、キンドル向けとePubで販売機会の最大化を図ることも出来るわけで、独立系として出版ビジネスを考えている方や、英語で世界に通じるコンテンツのお持ちの方には是非このチャンスを活かして欲しいと常々思っています。
アマゾンのほうを確認してみると、個別書籍ページではハードカバーなど様々なタイプへのリンクが価格と共に提示され、通常であればカートボタンにあたる場所が、「Buy at Pottermore」になっており、
そこをクリックするとなんとアマゾンではなくPottermoreのほうにう誘導される仕掛けになっているのにはちょっと驚きました。
DRMフリーでやっている時点でこのPottermoreは日本の出版社からすれば有り得ない事業プランかもしれませんけど、電子書籍時代のビジネスのあり方の一つとして学ぶべき事例なのは間違いないと思います。
※eBookProでは電子書籍の制作だけでなくこういった電子書籍販売サイトの構築についても業務領域としてカバーしておりますので、相談先、依頼先をお探しの方はこちらからお問合せいただければ幸いです。