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世界一高額な本「The Birds of America」が電子書籍として販売されることの意味を考えてみる

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昨日twitterのTLから情報仕入れたのですが、英国自然博物館、世界一高額な本「The Birds of America」をiPad電子書籍として発売というニュース。

国内ではシャープがガラパゴスの専用端末の販売を9月末で終了すると発表したりで、電子書籍普及の伸び悩みを伝える記事がこれまたYahoo!のほうに掲載されたりしています。

デバイスの売上であったり、書籍の売上が新たな収益源としてどれだけ膨らむかがやはり多くの人の関心事項だとは思います。ただ先日の震災で電子書籍の機運が少し出てきたように、旧来のアナログ情報ではなかなか伝播できないことが電子であれば簡単に出来てしまうという観点と、その社会的価値としてどう提供するか?という言わば、多くの人に知識を広め、相対的な文化度合いを高めることに貢献していくという短期的な儲け以外のところでの電子書籍の役割もあったりする訳です。

こういう観点で冒頭ご紹介した世界一高額な本「The Birds of America」は1800年代に刊行された高さが1メートルある5冊セットの大型本ということで、当時としても高額だったろうとは思うのですが、この書籍約8億8000万円で落札された実績があって本の価格としては世界最高を記録しているそうです。

実際に現物を見たり、触ったりする事には負けるでしょうが、この書籍が435枚の図版すべてを収録した完全版が9.99ポンド(約1,200円)、図版85枚入りのハイライト版が3.99ポンド(約480円)で見ることが出来るというのは知識伝播という観点ではやはり素晴らしい事だと言えると思うのです。

参考までにハイライト版をチェックしてみたのですが、Apple独自拡張の固定レイアウト方式を採用したePubで制作をされています。

さらにこの「The Birds of America」はスクリプトで制御していると思われる工夫がなされていまして、具体的にはそれぞれのページは基本図版だけが表示されているのですが、>と<のボタンを押すと、解説テキストが現れるようになっています。

  • 実際のアプリ画面を含んだ記事はこちらをご覧ください。

固定レイアウト方式なのでフォントサイズの変更はできませんが、画面の拡大は出来るますので、iPhoneでもこんな感じで拡大して文字を読みつつ、図版を楽しむことも当然OKな作りになっています。

  • 実際のアプリ画面を含んだ記事はこちらをご覧ください。

Apple独自拡張の記述方式を使っているのでアンドロイド端末やブラウザのePubビューワーでの再現性が失われていますが、掲載内容を電子的な観点でより伝わりやすい形にトライしているという観点ではこの試みはやはり重要だと思いますし、日本でもこういうデジタル化が教養の伝播において大きく貢献するであろう実験的な事案に、是非自分もトライしたいと思うのでした。

こっちに掲載されている動画を見ると、やはり本物の書籍はその大きさもあって迫力満点ですねw

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