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限りある地球で限りない「成長」を追い求める愚

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昨日たまたま昼食のために入ったお店で手にした朝日新聞のオピニオン『「成長」を相対化する』ってところに、

「消費頼み」モデルを変えよ

というタイトルで、英サリー大教授 ティム・ジャクソンって方が登場していました。

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こちらのティム・ジャクソン氏、人々の精神の豊かさや自然環境を守ろうとすると同時に、社会安定のために経済成長を求めるというこのジレンマから抜け出す唯一の道は、物質的な消費の拡大に基づく経済モデルが必要という提言をしており、これは単なる個人の考えではなく英国政府の「持続可能な発展委員会」の委員長時代の提言を踏まえているものらしく、今回の記事を見逃した…という方であってもその考え方はこちらのサイトでもご覧いただけます。

その中で特に目を引いたのは、

  • 生産性を落とせ

という小見出しがあり、その項では、もしある国で高い成長率が期待できない場合、雇用を維持するためには2つの方法しかなく、ひとつは労働時間を短縮すること、もうひとつは労働生産性を落とすことという指摘と共に、それでは雇用を守るために労働生産性を落とすことが合理的だといえる領域はあるのだろうか?と問いかけています。

この答えとして、丁寧に時間をかけて仕事をするほど、労働が生み出す価値を高められる分野は保健医療や介護、教育分野のサービス業だろうという消費拡大をめざす投資から、有形無形の資産を守るための投資先としての新たな選択肢が示されており、更に重要な事として、何よりも消費中心の文化を変える必要性と、その成長を絶対視する経済モデルの転換を迫られているのはまず経済的に豊かな先進国であるとしています。

先週この話とは全然関係の無いところで「低成長じゃダメなんでしょうか」というメルマガ記事を読む機会がありその中では「マーケットが縮小する時、ビジネスモデルが変わる時、これまでの成長を続けるのは無理ですし危険です。数字の成長が無いからといって経営がダメだと考えるならば、企業戦略が存在しなくなります。」とあったのですが、そういった観点も含め、

限りある地球という惑星の自然の営みの範囲でしか実現できない。

自然災害にはどうしたって勝てない事も踏まえ、この言葉シンプルではありますが、それが時に傲慢・放漫に振舞ってしまう人間がそろそろ身に染みて考え始めるべき事なのかもしれません。

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