日本におけるベーシック・インカム論のパイオニア小沢修司さんの話を聞いてきた 第1部
12月19日に開催された
↑こちらに参加をしてきました。以前からこのブログでもベーシック・インカム(以下BI)について取り上げてましたが、今回のこのイベントではわたしがBIについて最初に読んだ書籍「ベーシック・インカム 基本所得のある社会へ」の解題をされている小沢修司さんの講演ということでかなりの期待をもって参加してきました。
中身について有料講演ということでどこまでメモをブログで開示するかを迷った部分もあったのですが、質疑応答の中で「いかにBIを今後広めていくか?」という質問があり、やはりいろいろな場で発言していくことが重要では…という話があったので、これからBIについて調べ始めるという方が当ブログをご覧いただくケースもありかと思いましたので、自分の理解を定着させるという意味も含めエントリにまとめていきたいと思います。
それではまず、ベーシックインカム(BI)構想とはという基本的なところから
第1部 導入編(BIのイメージ)
BI構想とは:すべての個人に最低限必要な所得を無条件に支給する構想。
現行の税及び社会保険による所得保障(現金給付部分。年金、失業手当、生活保護、児童手当など)をすべてBIに置き換えるというもので、その財源について小沢さんは所得税で試算を行っているが、消費税や環境税などを財源にあてるという考え方もありうるとしています。
BIが導入されたあとにこれまでの社会保証制度はどうなるのだ?というのは良くある疑問だと思うのですが、その点において以下の考え方
- 現金給付部分(年金、生活保護)を置き換えるのがBIの担う範囲
- 現物給付部分(医療、介護などの社会サービス部分)は別途構想する
↑この現金給付と現物給付部分の切り分けの考え方はBIについて話し合う上でポイントだと思われ、
具体例として小沢さんが示している例は以下のようなものがあり、財源確保の側面から考えた場合にBI自体が荒唐無稽な話ではなく、実現可能性があるということをまずは示したかったと仰っており、その実現具体例は以下のようなものになります。
支給例:月額8万円を日本に居住するすべての個人に支給
総所得総額245.7兆円
所得控除額(非課税)123.1兆円
課税所得額122.6兆円
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BI支給額115兆円/年(1億2000万人×96万円)
BI税率 約46%(115/245.7)
より具体的に試算してみると…
このような試算から、子どもが多いほど収入が増える傾向があり、当然収入が減る人もいるわけですが、なぜこの制度への切り替えを考えねばならないのか?という事を考えてみる必要があるということで話は第2部に続いていきます。