「白いクスリ」の削除理由を『使用許諾契約書、「VOCALOIDで制作した楽曲に公序良俗に反する歌詞が含まれる場合は、公開・配布を禁じる」』にしなかったのは何故だろう?
「ニコニコ動画」に投稿されていた、初音ミクを使って作られた「碧いうさぎ」の替え歌「白いクスリ」を削除申請した件についてクリプトン・フューチャー・メディアの発表内容をITmediaさんが伝えていますね。
「ピアプロ開発者BLOG」のほうには
- 弊社製品が民法上の不法行為および刑法に定める名誉毀損罪を構成するおそれのある行為に用いられ、これがインターネット上で公表されていること。
- 上記事実が複数の大手インターネットニュースサイトに配信され、弊社製品をご存知でない方々を含む皆様に、上記事実が広く知られたこと。
- これによって、弊社製品を含む音声合成技術全般、およびこれを利用した創作活動全般に対するイメージが、多様性のある実態と異なるかたちで報道によって広まり、一般に認知され定着するおそれがあること。
↑こんな感じの記載があり、ITmediaさんのほうではニワンゴの西村博之(ひろゆき)氏
のブログの言及を紹介して記事をまとめています。
JASRACの場合は、
作曲者が作ったものをタダで勝手にネットにあげるのはどうなのよ?
ということで、ネット上のMIDIを削除させまくったわけで、
何が問題だったのかというのは、はっきりしているのですが、
今回の「白いうさぎ」という曲が
クリプトンさんのどういった権利を侵害してるのか
よくわからないんですよね。。。クリプトンさんが気に入らないものは、
「権利侵害」の名の下になんでも削除出来ちゃうってのは、
JASRACよりも性質が悪い気がするんですけど、
どうなんでしょうかね。。。
この流れで記事を読んだ私としては、そりゃ確かに変だよな…とひとまず同意。
で、あんまりここで取り上げる意味もないんですが(苦笑)、多分この流れの中で削除申請出しても皆が納得しやすい立場の人と言えば作曲者の織田哲郎氏あたりかな…とか思ったりしていたら
あれれ、こんな記事が同じくITmediaさんに2008年01月28日に掲載されています!!
一般ユーザーから同社に「公序良俗に反する歌詞を含む初音ミクの作品がニコニコ動画に投稿されている」と通報があり、確認したところ「初音ミクのイメージを損なう恐れがある」と判断。1人のユーザーが連続的に投稿しており「黙認のレベルを超えていると判断せざるを得ない」と削除。「ピアプロ開発者ブログ」で発表した。
同社は「初音ミク」「鏡音リン・レン」など「VOCALOID」シリーズの使用許諾契約書で、「VOCALOIDで制作した楽曲に公序良俗に反する歌詞が含まれる場合は、公開・配布を禁じる」としている。
特に「キャラクター自らが性的表現やバイオレス・グロテスクな表現をしているようにとらえられる場合や、視聴者が困惑したり、嫌悪感を抱く可能性がある場合は、製品やキャラクターのイメージに悪影響がある」として公開・配布を禁じる。判断基準の1つは「テレビ放送できるかどうか」といい、ブログには民放連の放送基準を抜粋して掲載している。
なんだ、こういう使用許諾契約書においての縛りがあるとか、具体的な判断基準として民放で放送できるか?という判断基準があるのですね。
ネットに溢れる膨大なコンテンツ全てに適用する気なの?とか本音の建前の難しいとこもあるかとは思いますが、今回も↑こちらの内容と同じ基準を適用したんだという主張をすることもできたのかもしれませんが、
「当社の営業上の利益と信用が侵害されるおそれを考慮して」
↑この文言だとどうしても?を感じてしまう人は多いような気がしてならないのでした。
追記です。
Twitterのほうで栗原さんからこんな鋭い指摘をいただきました、ITmediaさんの記事や関連エントリなどをご覧になる方は参考にしていただければ幸いです。
@yasusasaki 契約は当事者にしか効力がない 白いクスリをアップした人がソフト購買者とは限らない
追記
8月17日こんな発表あったようで、速報エントリあげました。