成功する大規模Webサイトを構築したいなら、この3人の話を聞け!
「成功するWebサイト構築」というタイトルで2月6日の開催からかなり日数が経過してしまいましたが、日本印刷技術協会主催のイベントPAGE2009で今年はとってもゴージャスなスピーカーの方にお集まりいただき、わたくしが僭越ながらモデレータをやらせていただきました。
お題目として、「Web活用によるメディアビジネスを成功させる秘訣は何か。ユーザの要望に応え、魅力的で成果のあがるWebサイト戦略の立案方法・構築手法について、事例を交えてそのポイントを探る。」というテーマがJAGATのほうから提示され、お集まりいただいたのは、
戦略立案、リニューアル、評価等、プロジェクト毎にユーザ利益と具体的なビジネス成果を両立することを目標に、ウェブサイトのユーザビリティ改善に特化したコンサルティングサービスを提供で多くの実績をお持ちの「ビービット」の代表取締役 遠藤さん。
1万人のクリエイターとのネットワークを構築、幅広いクリエイティブ・ソリューションを提供する総合制作代理店、最近はWebプロジェクトマネジメントの重要性について書籍なども出されている、「ロフトワーク」の代表取締役 諏訪さん。
web制作に関わる人間であれば殆どの方が知っているであろう、オリックスのVIPローンカード申し込みアプリや、超有名企業のALL FLASHでのコンテンツ制作などで輝かしい実績をもつ、「エクスペリエンス」の代表取締役 橘さん。
↑このようなweb制作関連業界的に見ると、
かなり?
相当に!?
とてつもなく、ゴージャスな布陣となりました!(驚)
あくまで洒落、苦笑いで済むレベルの話と先にお断りをしておいたうえで、
遠藤さんが容易した資料が2時間の講演用の奴だったのですが、30分の持ち時間で焦ってしまったとか…
諏訪さんのプレゼンについてはハンズアウト資料が無しだったらしく、JAGATの担当者は来場者からクレームつかないか多分冷や汗ものだったろうとか…
JAGATが配布した橘さんの資料がちょっとした手違いでPAGE2009のブログのほうで再配布することになったとか…
ちょこちょことあったりはしたのですけれど(笑)
主な来場者はweb制作会社や印刷関係でweb関連の仕事に従事する、営業、制作、管理職クラスの方で会場は満員!! 本編については大変有意義、参考になりまくりの2時間だったと思います。
有料セミナーだった関係であまり細かく紹介できないところもあるのですが、今後このお三方が講演されるセミナーに申し込みをしようか?と迷っている方もいらっしゃると思うので、そういった方の参考になればと思い、かなりざっくりとしてはありますが、お話いただいた内容をまとめてみたいと思います。
まず、ビービットさんの取り組みとして「ユーザ中心アプローチ」についての具体的な解説と、サイト改善の具体的ポイント事例などを示していただいたのですが、サイト制作に関わる人間として一番参考になったのは、やはり評価手法の体系化し、その導入結果を数値で示すことが出来ている点だと痛感、この辺はやはり遠藤さんの前職での経験がかなり有効に働いているのだろうな、、、と感じております。
そして、ビービットさんでは「ユーザビリティ実践メモ」ということで、ユーザビリティテストで得られたサイト改善のノウハウを毎週発信しているとの事なので興味ある方は訪問してみてはいかがでしょうか?
関連リンク
ロフトワークさんは、プロジェクトマネジメントの世界標準「PMBOK」をベースに、Webのプロジェクトで利用可能なフレームワークを構築し、その導入効果などの紹介や、「もはやCMS導入は絶対条件」、「CMS+αによってWEBをメディア化」といった個別テーマと、ロフトワークさんによるCMS構築とSEOコンサル会社との共同サービス、CMSEOの紹介や、書籍「Webプロジェクトマネジメント標準」の紹介をしていただき、この辺はやはり最近のweb制作でCMS無しでは話にならない部分があるので、参加者の方には大変参考になったのではないでしょうか?
ちなみにロフトワークさんは、SIerさんなどが受注したはいいけれど、どうにも立ち行かなくなってしまった大規模webサイトをCMSに移行するような案件において火消し役としてもかなりの実績お持ちとのことで、SIerさんの救いの神と言える存在のようですよ(苦笑)
関連リンク
- 株式会社ロフトワーク
- Amazon : Webプロジェクトマネジメント標準
最後はエクスペリエンスの橘さんの登場で、講演冒頭から「ここに営業の方は居ますか?」という問いかけからスタートしたのでした!
遠藤さん、諏訪さんのプレゼンは開発手法や方法論などの分野でしたが、橘さんの切り口は、CMをはじめとするマス広告とWebの違いに始まり、広告だけでは表現できないExperienceを提供する企業サイトのあり方としての顧客基点の発想の紹介をしていただきつつ、圧巻だったのは、従来の申込者を増やす方法と脱落率改善のシュミレーションの基本理念の違いをまずは説明。
冒頭の問いかけにあるように、営業の方向けに、その導入効果を数字を示しての具体的な事例紹介と、参加者が自分のクライアントや担当する案件で実際に使えるように、プランニングのヒントとなる事まで紹介していただきました。
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最後のとりまとめの時にも言ったのですが、このお三方の話はとっても判りやすくて明日から実践できそうな気がしてしまうのですが、同じ事を素性や実績がクライアントに伝えられない人間がやっても全然効果ないだろう、、、という事で、つまり「このネタを拝借すれば私も大規模サイトの構築ができるだろう!」という甘い考えは禁物って事です。
やはりそこには、自分で方法論を編み出すとか、他所で実績のある開発手法をwebの分野に改変・応用する、ROI最大化について具体的・実践可能な論理構築とそれを数字を交えて解説できる事など、このお三方がご自身で編み出したゆえの圧倒的な説得力を痛感したのでした。
最後にご紹介したいのは、橘さんの「わたしは自分が一緒に仕事をしたいと思う会社のところにしか営業に行きません」って言葉で、自主独立って事をを重要視しているわたしとしてはこの言葉に非常に感銘を受けたのでした。
コンファレンス自体はweb制作に従事する方向けの内容で、内容的にも当然これらの参加者の方には有用だったと思うのですが、
このセミナー参加費17,000円だったのですが、もしかして、自社サイトの構築、リニューアル、運営などで悩んでいる大企業のwebマスターが参加したら、このお三方の話が同時に聞けてこの価格って事は最高にお得なコンファレンスだったかもしれません(苦笑)
残念だったのは、全員中身が濃すぎて2時間では到底収まるはずもなく、フリーセッションの時間が取れなかったことです…もう一回この面子で集まる事できたら、是非フリーセッションとか質疑応答白熱ネタとか投入できたら楽しいかも、、、と思ってしまうCMパンチ佐々木でした。
P.S.
こんな最後のまとめ方で終わってしまいJAGAT関係者の方々には先に謝ってしまいます、ごめんなさい(自爆)