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独立・起業の前に借金できない自分を想像してみる

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終身雇用の制度のもとで働ける人の数が確実に減っています、そして社会人として仕事をするという形態も様々な方法が選べるようになってきていますが、人間として80歳くらいまでの人生を過ごすための社会制度は戦後復興の流れの中で組み立てられ、これら制度は終身雇用や公務員の勤務環境を前提として設計されているとわたしは個人的に思っており、ここ最近の働くということを自由、楽しい、自己実現という側面を強調するメディアなどの情報に接して、正社員を辞めて非正規雇用・業務委託を選択したり、独立・起業してみたけれど人生設計がどうにも修正不可能になってしまう人が10年後、20年後にかなりの数になるのではないかとも思っています。

実はわたしは会社員として働いたことがあるのが20歳の時に半年だけで、現在43歳ですがこの23年間のうちフリーランス13年、有限会社の経営10年という社会人人生を歩いていて、フリーランスの時代はワンステージ幾らとか1曲幾らの日雇い労働だったわけです。

結婚、子供の誕生、それに伴う生活費・教育費などの増加、住宅の賃貸・購入、望まない疾病や入院に伴う出費、退職後や老後への保険など贅沢な暮らしを望まなくとも生活費以外に必要なお金は相当な金額になるのは子供2人とかが受験だなんだとお金が必要な時期の家庭をお持ちの方であれば理解いただけると思います。

業務委託、独立・起業においては自己選択で収入を増やすことも可能ですが、仕事が毎月入ってくるかを自分で完全にコントロールできませんし、会社組織がそれなりの規模に達していれば社員の稼ぎで食べれますが起業間もない会社で社長が動けなければ収入減に直結する会社がほとんどではないでしょうか。

人間としてひとつの家庭をもった場合に起きるであろう人生の各ステージ、事業を展開する上でどうしても運転資金の追加・補充が必要という場合に、まずその金を何らかの方法で調達できるかを考えておくかは非常に重要だと思います。

ただ、日本の銀行って個人にはお金なかなか貸してくれないです。ここを「何とかなるさ」で乗り切れるのなら、多分世の中に倒産とか夜逃げという単語は必要なくなるでしょう。日本では起業する事業の可能性よりも

  • 公務員か?
  • 大手企業の社員か?
  • 収入金額と安定性は?
  • 預金・証券・不動産など担保を持っているか?
  • 親の職業、収入は?

不平等を痛感することもありますが、融資を判断する際の信用度をこういうポイントでしか見てくれないと言い切ってほぼ問題ないと思います。

ちなみにあなたは幾ら貸してもらえそうでしょう?創業間もなく実績の無い会社・個人が借金することの難しさを想像していただけましたか。

駄目押しじゃないですけど、銀行の利率で融資が受けられるず、もっと高い金利で無理やり借金しても、小規模に事業をしている人間・会社がこのコスト削減圧力の高い時代に、金利を返済し、なおかつ会社に利益を残せるだけの利益率で事業をすぐに回せるのか、、、と考えたら結構目の前暗くなる人多いのではないでしょうか?

ましてや年収の5倍~10倍の住宅ローンなどを個人事業主が組もうと思ったら、、、もう目の前真っ暗というか、銀行が相手しれくれずに怒り爆発とか、逆に下手に節税に励んでしまったがために大失敗という方もきっと居ると思います。

公務員や上場企業の正社員であれば、勤続年数がそれほど長期でなくともいろいろな借金をしてそれを給与・ボーナスから返済していくことはそれほど難しくないかもしれませんが、たとえ上場企業を退社した方でも創業1年目は取引先からの与信が通らず取引さえしてもらえないとか、銀行からの融資も全然受け付けてもらえなくて、区や都の特別融資とかしか方法がないかもしれない、、、ということを覚えておいてから個人での業務委託や独立・起業のアクションを起しても遅くないと思います。

会社としての融資は社長の個人保証がなければ実行不可能な場合が殆どですから、外部から純粋な投資を受け会社の資金を回していくのでなければ何か失敗すると丸裸になることも肝に銘じる必要がありますよね、、、

起業なり独立なり、会社に属さずに独立独歩で行くためのハードルが日本は異常に高いと思うのわたしだけでしょうか、、、こんな有様ですから日本の起業の数字が伸びないのは当たり前と思うのですが、70歳を超えた親をお持ちの方であれば、まず正社員として真面目に働いて貯金しろ、、、と言われた経験あるでしょう。

これって今の時代には古めの意見で、いまはもっと多様化した働き方・生き方があるから、、とお考えの方も多いと思いますが、高齢者になった場合の自分の取れる選択肢の少なさという点を考えると、労働者として動ける年代に現在訪れている環境変化と高齢者になった場合の環境変化がまったく別な速度で動いているということを理解しておく必要と、自分なりの対処法を敷いておく必要があるのかも、、と思ったりするのでした。

働き方の多様化を自分で実行する前にもう一度人生の各ステージで自分がどのようなハードルを越えている必要があるかをモデリングしてみることって凄く重要と思います。

無計画にここまで走ってきた人間として書ける内容ってこんな感じだったりするのですが(苦笑)、東京都内で事業をやっている方には都や区の1~3%代での融資を受けられるケースも多数存在すると思いますので、ご興味ある方はご自身のお住まいの区役所のページなどを検索してみてはいかがでしょうか?


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