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後期高齢者医療被保険者証を見せてもらった

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先日後期高齢者医療制度について老練なデザイナを起用してみては?って変なエントリー立てましたけど(苦笑)、母親の入院と手術の説明受けに田舎のほうに帰省したので、保険証見せてもらったり、見舞いに来ていた姉妹や複数の75歳以上の方から話を聞くことができました。

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↑これが最近話題の保険証です。クレジットカードサイズでペラペラの紙みたいな感じ(裏面は何かしらのコーティングが施してあるようですが)で、対象者の年代の人たちにとっては非常に頼りない造りに感じるようです。

せめてキャッシュカードのような厚みのあるような造りとか、厚手のビニールのケース入りにしてくれるとか、もう少しサイズが大きいほうが安心感があるのだけど、、、というのはこの年代の方々からするとごもっともな意見と思います。

私たちの年代にとっては別に大丈夫なんじゃね?という事でも、高齢者の方々は非常に生真面目な方も多く、これがなければ全額負担という事もあり、紛失や破損に対して心配している印象でした。

後期高齢者医療制度についてはスタートしてから色々な報道がされており、その混乱ぶりについては検索していただくと色々なニュースに出くわすと思いますが、うちの母親や同年代の方からは「定額払い報酬」による医療報酬面で不採算と判断された場合に自分達はどういう扱い受けるのか?という不安があるようで、制度全体について国はもう少し利用者目線で対応を考慮すべきかと思います。

この年代の人たちに「厚生労働省のホームページに書いてあるからちゃんと見ろよ」は酷な感じがしますし、それに80歳過ぎて「ネット見ればわかるだろうが、、、」と言われても自分もこの年代になったときには、やはり公共放送や電話、印刷物や、病院窓口での個別説明などが必要でしょうし、自分もこの年代になった時にいまのようなネット依存度高い生活をしているかどうかについても考えてしまいました。

最後に、こちらのページに「後期高齢者医療制度の創設とねらい」と題して、厚生労働省の高齢者医療制度施行準備室で室長補佐を務める土佐和男氏が基調講演した内容として以下のような内容が記載されています。

後期高齢者制度は“悪魔の選択 -医療・介護情報CBニュース

土佐氏は、まず、現在の国民1人当たりの医療費が、75歳以上の後期高齢者は75万円、65歳~74歳の前期高齢者は35万円、65歳未満は15万円となっていることなどを説明。高齢者の増加に伴って、医療費は将来60兆円に上ることを示した。その上で、新制度の仕組みを「月25回の通院を20回に減らすことで医療費が下がり保険料は上がるようになっている」と紹介。「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自分の感覚で感じ取っていただくことにした」と、独立型保険を創設した理由を明言した。

中略

土佐氏は、新制度の保険料の4割を75歳未満の世代が負い、その金額が医療費の高低によって左右されることに言及。「助け合いや予防活動などで保険料が下がり、誰のために保険料が上がったのか、誰が努力して保険料が下がったのかがはっきりみえる形になった」と語った。

今回の制度対象者の中には太平洋戦争で戦争に駆り出された方々が含まれており、わたしの父親は日本陸軍、母親も従軍看護婦としてこの戦争に参加した経験を持っています。

若くしてこの戦争で国のために尽くし、その後の復興期さまざまな困難な状況にめげず、黙々と働き続けながら現在の日本の基礎を作り上げてくれた世代、遊びとか自分らしくとかいう概念とは無縁であっても頑張ってくれたこの世代に対して、

「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自分の感覚で感じ取っていただくことにした」

というのは医療費や国の医療費負担の側面から見ると妥当な発言なのかもしれませんけど、この世代の方々がどんな風に受け取るのかな、、、と考えると、母親が会話の中でつぶやいた

「国もお金が掛かっているから、年寄りにはあんまり病院にかかってもらうと困るってことなんだろうね」

という言葉から、自分のこれからの生活設計などを含め、いろいろな事を考えさせられました。(かかるというのは方言かもしれませんね、ちなみに 病院に通院する 病院で診てもらうという意味です)

※厚生労働省の特別部会で「老衰とかのたぐいは在宅死が一番いい」という趣旨の発言がされていたという記事についてはまた機会があれば書いてみたいと思います。

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