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大野さんからいただいたコメントへのレス

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大野さんからのコメントいただきちょっと長くなりそうなので記事のほうでレスさせていただきます。

「補足」ありがとうございます。たとえば、録音補償金の配分は、著作権者/JASRAC(36%)、実演家/芸団協(32%)、レコード製作者/RIAJ(32%)となっているのですが、芸団協だけWebサイトを見てもビジネス規模がわからなかったのでした(どこかに書かれているのでしょうか)。

芸団協の活動概要については2004年の事業報告書がこちらに掲載されているようです。

この比率がどういう経緯で決まったのかも興味深いところですが、JASRACと RIAJについては総額40億円だとしても、それぞれビジネス規模の1%、0.2%くらいになるようです。実演家に対しては、もう少し意味のある比率の金額が支払われるということなのでしょうか。

このご質問をいただいて改めてこの件を説明することの難しさを痛感したのですが、世の中で流行ったもの、あまり流行らなかったものもあるため1人当たりの金額試算をしてもあまり参考にならないかもしれない点をご了承いただければと思います。

録画の保証は2000年からということなので1999年のデータですと38億9500万円が保証金額の総額とのことで、社)私的録音補償金管理協会(SAHRA)を通じて、32%、約12億4600万が実演家著作隣接権センター(CPRA)に配分され、音楽家の場合には音演奏家権利処理合同機構(MPN)というところが、放送部門、市販録音物部門、貸しレコード部門にわけて、登録データに基づいた個人配分を受ける流れとなっています。

前述の通り、実際にはどのアルバムが沢山売れたかなどのサンプリングデータを基にして配分金額は決まるのですが、MPNでは4500人程度の登録者の分配をしているとのことで、単純に先ほどの数字をこの人数で割ると1人あたり27万程度の配分になります。(データ収集経費は差し引かれます)

繰り返しになりますが、売れているアルバムに多数参加している売れっ子は当然この金額は多くなるし、そうでない人はゼロの場合もありますのでその点だけは頭の片隅に置いていただきながら数字参考にしていただければと思います。

ところで対象メディアには、DVD(レコーダー)が含まれるようです(というより、含まなければ実質的に意味がないのでは?)。CD-Rも含まれますね。

1998年11月に当初の機器にCD-R、CD-RWの追加が行われたようで、1999年にデジタル・ビデオ・カセット・レコーダー、2000年かDVD-RWなどが追加されていたと思います。

主張の正当性についてここで論じることはしませんが、iPodの第一世代が2001年に登場し日本国内においてもヒット商品となった事、音楽再生を売り物にしている携帯電話が登場したり、着うたなどが流行するも、2000年以降補償金の金額は減少の一途をたどっているため、この辺の事象を関連付けて「危機的な状況」という発言が導き出されているのではと個人的に解釈しております。

wikipediaによれば、フランスでは補償金の廃止を視野に入れて段階的縮小を重ねているそうです。そもそもドイツ・フランスの著作権管理団体のことを知らないですし、日本では“創作活動”に対する評価が低いと感じていますので、その手の意識向上は努めたいと思いますが、良く言われているとおり記録メディアには色々なものが記録されるので、補償金というのは、あまり筋がよくないように感じます。

海外でも補償金はすんなり受け入れられている訳ではないようですね。確かにご指摘のような動きがあるようで、欧州がどのようになるのかによって日本の状況も一変する可能性はあるのではと私も思います。

一例として音楽用CD-Rとデータ用CD-Rがあって、機能は同じだけど補償金分の価格差があるなど、理屈で考えるとおかしい事だらけ、、、と言っても過言ではない状態であり、この問題は理屈だけで解決しないため、関係者全員が全て納得というところに到達するのはまず無理なことなのだろう、、、と個人的には思う次第です。

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