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Yagishita's alternative blog

Lotus Connections/Quickrを見てきました

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松尾さんのエントリーにもあるように、先週金曜日はIBM箱崎で開催された「Lotus Spring Forum」に参加してきました。

Lotusを2000年末に退職して、かなり時間が経つのですが、その頃にお世話になったお客様やビジネスパートナーの方とお会いできたのはよかったです。基調講演の前に、IBMの関理事に「辛口で評価してくださいね。」とプレッシャーをかけられたLotus Connections/Quickrのセッションを中心に参加してきました。

Lotus Connectionsは現代のLotus Discovery Server (LDS) になるか

Lotus Connectionsを最初に見た感想は、「LDSでできなかったことを実現しようとしているな。」でした。社員の専門知識領域や各種情報をプロフィールとして管理し、ブログやコミュニティ、ソーシャルブックマーク機能を通して、社員同士のコミュニケーションを活性化させようというものですから...

ですから、LDSが日本でブレークしきれなかった理由を考えることが、Lotus Connectionsの成功につながるのではないかと思います。オライリーがだしたアート・オブ・プロジェクとマネジメントにあるように、ビジネス・技術・顧客の視点で。

LDSのようなナレッジマネジメント製品や技術が、今ひとつ日本でブレークできなかった理由について、個人の意見ですが「ビジネスの現場を意識しきれなかったトップダウン・アプローチ」にあったと思っています。全社規模のシステムになるわけですから、トップダウン・アプローチは仕方が無いのですが、ビジネスの現場の方々を意識した導入ができなかったのではないかと思うのです。ナレッジ (情報) をマネジメントの中心においていて、それを利用する現場の社員が利用しやすい環境の構築はそれほどでもないような....

ブログに代表されるLotus Connectionsの機能は、どちらかというとボトムアップ的な要素が強く、全社規模の導入でおこなうトップダウン・アプローチとのギャップを、どう技術的に、どうビジネス的に埋めていくのかがIBMさんに限らず、イントラブログ・ソリューションを提案する各社の課題です。企画側がどんなに考えても、現場が日々の業務の中で使わなければ意味がありません。「メールがあるから十分」「たくさんツールは使いたくない」という意識が強い現場の方にとって、ストレスが少ないシステムでなければいけません。今回のイベントでは、残念ながらその課題に対する回答らしきものはみることができませんでした。

IBMさんにしてもMicrosoftさんにしても、単にブログ機能を実装するだけでは、以前のグループウェアのときと一緒で、ブームに終わりかねません。ブームに終わらせないためにも、この課題に対する回答を今後も追求していこうと再認識した1日でした。勉強になりました。

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