ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

いずれ本を出したい方に

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ITに強いビジネスライター森川滋之です。

出版の形態には商業出版と自費出版がありますし、執筆方法には書き下ろしと語り下ろしがあります。

今回は、どのような形態・方法にせよ、いずれ本を出したいと考えている方がしておくといい準備について書きたいと思います。

語り下ろしとは?

私は、商業出版と自費出版のハイブリッドである共同出版の制作支援の仕事が多く、年間7、8冊は関係しています。商業出版の制作支援もしますが、こちらは件数が少ないです(※商業出版、自費出版、共同出版の詳しい違いを知りたい方はこちらへ)。

最近は企画から関わり、一部編集もお手伝いする案件が増えていますが、以前は「語り下ろし」を文章にまとめる仕事がほとんどでした(少なくともお金をもらえる範囲では)。

語り下ろしという言葉は、養老孟司さんのインタビューで知りました。著者が語ることを、ライターが文章にまとめることをそのように言うようです。

録音したものをそのまま文章にしても、本にはなりません。ライターのほうで適当な文章に直します。要するに「ゴーストライター」をしているわけなのですが、佐村河内さんの事件やテレビドラマの影響で「ゴーストライター」という言葉には悪い印象があるように感じます。

語り下ろしの場合、文章化する際に順序を変えて再構成するなど様々な編集が行われるのは事実です。しかし基本的には著者の知見から逸脱するわけにはいきませんので、代わりに創作するというのとはだいぶ違います。著者のチェックも必ず入りますので、多くの方がイメージする「ゴースト」とは違うように思います。

適当な肩書きがないかを考えたところ、「聞きまとめライター」という言葉が思い浮かびました。これなら、書籍制作支援以外にも、取材してまとめる仕事をたくさんやっていますので、そちらにもあてはまります。

しかしこのような一般的な名称は既に使っておられる方がいるのですね。商標登録されているようでもないのですが、自分では使わないことにしました。

ブランディングのため書籍の多くは語り下ろし

前項でリンクした養老孟司さんのインタビュー記事を見ても分かるように、語り下ろしはかなり一般的な行為です。堀江貴文さんも自著で、時間を有効活用するためにライターに書いてもらっていると明言しています。

養老さんも堀江さんも今さらブランディングのために本を出しているわけではないでしょうが、コンサルタントや実業家がブランディングのために出している本の多くは、ライターが執筆しています(※)。

※ですので、知人がビジネス書などを出版された際に「文章がお上手ですね」と褒めるのはやめておくほうが無難です。

本を出せるだけのコンテンツを持つ方は多忙です。そして本を書くのは慣れていないとたいへんな作業です。私も、今でこそ10時間取材して正味10日の執筆期間があれば1冊書けるようになりましたが、処女作(自著です)を書いたときは半年以上かかったばかりでなく、いったん脱稿をあきらめかけました。

ですので、よほど書くことが好きでしかもタイピングの速い方以外は、現実的に執筆時間を作るのは難しいでしょう。世に問いたいコンテンツは持っておられる方々がライターに代わりに書いてもらうのは、有効なコンテンツであればですが、世の中のためになると考えます。

事例を書きためておいてほしい

前置きが長くなりましたが、書籍制作支援をやっていますと、将来本を出したいと考えている方にぜひともお勧めしたいことが出てきます。

それは、事例を書きためておいてほしいということです。

世の中、正しいビジネスのやり方がそれほどたくさんあるわけではありません。ですので、ことビジネス書に関しては、同じテーマであれば、誰が著者だろうと同じようなロジックと結論になりがちです。

差別化するためには、方法論と事例しかない場合が多いのです。そして方法論についても事例がないとわかりにくいことがほとんどです。

ですので、私がインタビューシートを作る際には、「○○とはどのようなことでしょうか? 具体的なエピソードをまじえてご説明願います」と書くことが多くなります。しかしながら、この「具体的なエピソード」というのがスラスラ出てくる方は10人に1人ぐらいしかいないのです。

少し極端に言いますが、その人ならではオリジナリティというのは経験の中にしかありません。そして、経験とはエピソードの集まりです。エピソードが多いほど、オリジナリティのある本になります。

とはいえ、急にエピソードを教えてくださいと言って、スラスラ出てくる人はかなりの記憶力の持ち主です。ですので、エピソードを書きためておいてほしいなあと思うのです。


最新のIT動向やITのビジネスへの応用について、経営者などビジネスパーソンに分かりやすく伝えることができるライターです。

最近いただく主なテーマは下記の通りです。

  • AI関係(機械学習、ディープラーニング、RPAなど)
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)、デジタライゼーション
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大手SI企業の基盤&ネットワーク技術者でしたので、インフラ&システム運用関係のテーマにも対応できます(クラウド、データセンター、バックアップ、レプリケーション、HCI等々)。

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