なぜダイエット本は書かれ続けるのか?
僕はダイエット・マニアで、人生で何回もダイエットしている。その際に何冊かのダイエット本を参考にした。
何回もやったということは、何回もリバウンドしたということなのだが、いまようやく体重が安定してきたので、ダイエットとダイエット本について書いてもいいだろうと思う。
さて、タイトルに対する答えを先に書く。
「なぜダイエット本は書かれ続けるのか?」
書かれ続けているどころか、毎年何冊も書かれては、その中からベストセラー本が生まれている。毎年一人ぐらいはダイエット評論家がブレークしては、翌年には忘れ去られていく。
「理由は簡単。究極のダイエット本がないからだろう」とあなたは言うかもしれない。
その答えは、半分正しくて、半分間違っている。
ダイエット本を何冊も試してきている僕は、これだけは断言できる。
万人に効果がある究極のダイエット本はかつてなかった(これからもないだろう)。
しかし、ある人にとっては究極のダイエット本は存在し、既に出版されている可能性がある。
なぜなのかは最後に書く。
僕のダイエットとダイエット本遍歴について書き始めたのだが、非常に長くなりそうだと分かったので、ポイントだけ表(クリックで拡大図)にまとめる。なお、書名は限定しなかった。
とりあえずは、中学以来、何度もダイエットをしている実績があることと、現在は禁酒しなくても体重が安定しているということに注目していただければと思う。
今もときどき数日で数kg増えることがある。以前ならそれでリバウンドしてしまったのだが、今は数日で元に戻すことができる。つまりリバウンドではなく一時的な体重増で済むようになったのである。
こういう状況なので、多少ダイエットについて語ってもいいのではないかと思う。
まず、ダイエットにおける真理は一つしかない。あとは方法論の違いだということである。
その真理とは、
一日の摂取カロリーが、消費カロリーを上回れば太る、逆なら痩せる
それだけである。
確かに太り易い体質、痩せ易い体質というのはある。
基礎代謝(安静時に消費されるカロリー)が大きいほうが痩せ易いのは事実である。基礎代謝を上げるには筋肉をつけるのが有効であるから、筋トレはしたほうがいいというのは真理だ(ムキムキになる必要はない)。
痩せ易い運動のしかたというのもある。筋トレをしてから、有酸素運動をする。この順番のほうがカロリーが消費されるというのは実証されているようだ。
このようなことは、きちっとしたジムならどこでも教えてくれる。もしご存知でなければ憶えておかれるといい。
まともなダイエット本に書かれていることは以下のどれかであり、それぞれに著者なりの方法論がある。
- 摂取カロリーの減らし方
- 効率のよいカロリーの消費のしかた
- 以上の両方
これら以外の原理に基づくダイエット本は買うべきではない。
摂取カロリーについて補足すると、エンピティーカロリーというものは本当にある。
たとえばアルコールはエンピティーカロリーだ。
以前は、短期決戦を目指そうと禁酒して痩せた。現在はまったく禁酒していない。
僕は、毎日の摂取カロリーを記録しているが、アルコール類は含めていない。含めれば、毎日3000Kcalを超えるはずだ。しかし、太らない。
アルコールを消化するのに、それなりのカロリーを消費するからだ。
他にもそのような食品はある。たとえばゆで卵がそうだと言われている。なので、ゆで卵の単品ダイエットが流行った時期がある。お腹が減ったらとりあえずゆで卵を食べろというわけだ。
ただ、僕の場合は、アルコールは摂取カロリーに記録しないが、その他の食品はすべて記録している。どの食品がエンピティかなどと区別するのは記録するうえで面倒だからだ。記録が面倒になるのは避けるべきことである。
なお、ゆで卵ダイエットのような単品ダイエットはあとで書く理由でお勧めできない。
食事を抜くのはよくないという人がいる。ほとんどの医者や栄養士はこの立場だ。
しかし、一方では1日2食のほうがいいと言ったりする医者などもいる。
どちらが正しいの? と聞きたくなるが、どちらも一理あるのだろう。たぶん決着はついていない。
僕自身は、こうしている。
朝食を抜くと、昼までが辛くなるし、昼にどか食いしがちになる。これでは抜く意味はない。
なので朝には、ミルクと砂糖がたっぷり入ったコーヒーか、蜂蜜やジャムなどを入れたヨーグルトか、どちらかを取るようにしている。ポイントは糖分と乳製品を取ること。
これで血糖値が上がって昼まではなんとか持つ。どか食いもしなくて済む。
朝食をきちっと取ると400~500Kcalにはなるので、この差はかなり大きい。
僕が朝食を低カロリーで済ませるのは、夕食に酒を飲みながらつまみをたくさん食べたいためで、夕食をそれほど食べないという人は、三食きちっと取るほうがいいかもしれない。
夜に飲み会があるという人には、僕の朝食は参考になるだろう。
1日2食か3食かとか、朝食・昼食・夕食のどれでカロリーを取るのかなどは、生活習慣によって変わってくるところであり、あまり気にしなくていいというのが僕個人の意見だ。
僕の「朝簡単・昼少な目・夜飲みながらどか食い」などというパターンは栄養士や医者が見たら絶対に反対するだろうが、これに変えてから、体重も減ったし、血液検査の結果もいいので、僕には向いているということだろう。
炭水化物を減らすと痩せるという話もある。
これは、僕の体験上では本当だと思う。他にも炭水化物を減らしている人が何人かいるが、実際に痩せている。
油を抑えるというのはどうだろうか?
僕はマヨラーだし、揚げ物も大好きなのだが、問題ないようだ。
この辺は体質もあるだろう。僕の場合は、油は取り放題だけど、炭水化物は抑えるというのが効果がある。他の人は違うかもしれない。
僕個人の考えだが、油を消化するのはかなり複雑なプロセスであり、かなりカロリーを使うのではなかろうか。
いずれにしろ、豚肉の脂をとったりするのがダイエットに効果があるとはあまり思えない。僕は脂身ばかり食べているので。
天ぷらの衣を残すのは、炭水化物を減らすという意味で効果はありそうだが、揚げてくれた人に失礼である。
単食ダイエットはお勧めできないと書いた。理由は以下の通りである。
単食ダイエットで一時的に痩せたとしても、一生続ける覚悟がないのなら確実にリバウンドするからである。
たとえば、1週間リンゴだけ食べて10kg痩せるというダイエット法があったとしよう(極端な空想例である)。
実際、1日に2個リンゴしか食べなければ、それぐらい痩せるかもしれない。
でも、そのような食事を一生続けることはできない。
するとどうなるか。この手のダイエットは、脂肪も減るが、筋肉も一緒に痩せる。このような状態で、もとの食生活に戻ると、体重はどんどん増える。筋肉が減っているので基礎代謝が下がり、痩せづらくなっているからだ。
そのうえ運動をしないのなら、つくのは脂肪ばかり。元の体重に戻っても、以前より体型は醜いうえ、さらに体重は増える。
まあ、こんな極端なダイエット法はないだろう。単品ダイエットの多くは、同じカロリーを取るなら、痩せる成分が入っているこちらを食べなさいとか、お腹は膨らむがカロリーの低いこちらを食べなさい、などである。
ただ、いずれにしろ筋肉も痩せてしまうダイエットは、元の食生活に戻っただけで簡単にリバウンドするのでやめたほうが賢明だ。単品ダイエットは、食事の用意が面倒なうえ、あまり美味しくないので、たいてい元に戻ってしまうのだ。
同じ理由で、酒飲みが禁酒して痩せるのは絶対にやめたほうがいい。僕は、過去2度これをやった。結果として、元の体重より5kg以上増えるリバウンドを経験している。
現在、禁酒なしのダイエットをしているのは、リバウンドの恐ろしさを知っているからである。
禁酒して痩せるのは、酒の分のカロリーが減るからではない(先ほど書いたように、酒はエンピティーカロリーだ)。酒を飲むと、食欲を抑制する脳の働きが抑えられて、いつもよりたくさん食べてしまうからなのだ。
なので、酒を飲んだときに食べる量が増えることを計算して、他の食事での摂取カロリーを抑え、運動もする(軽くでいい)というのが、酒飲みのための効果的なダイエット法だといえる。そして、僕自身がそれを実証している。
畢竟、ダイエットというのは、 習慣を変えるということである。
習慣には変えやすいものと変えにくいものがある。
僕の場合、酒をやめるというのは、それこそ末期癌か肝硬変かアル中で入院したときぐらいしか考えられない。それぐらい強い習慣なので、一時的に禁酒して痩せたとしても、それは習慣を変えたことにはならないのでリバウンドしてしまうことになる。
単品ダイエットの多くも一時的に痩せるが習慣を変えたことにはならないので、リバウンドすることになる。
習慣を変えることにならないダイエット法は、採用すべきではない。
では、自分なりにいい方法が見つかったとして、それを習慣化するにはどうしたらいいだろうか?
僕は、スマホを買ってから、ダイエットがうまく行くようになった。
習慣化にスマホのアプリは役に立つ。
僕の場合は、「レコーディング ダイエット アドバンス」と「カーディオ・トレーナー」を愛用している。
重要なのは、記録が簡単であることと、蓄積されるということである。
カーディオ・トレーナーでは、はじめてからの歩いた距離などが地図で見られるようになっており、それを見るだけでまた歩こうという気持ちになる。
また、あまり正確に入れようとすると続かない。
使い始めのころは、正確にカロリーを入れようとしたり、データベースにない食品については新たに登録したりしていたが、面倒になりかけた。そこで、他の似たような食品で代用したり、フルコースなどというアバウトなメニューを用意して、宴会のときはそれで代用するようになった。続けることが第一である。
他の人とデータを共有して、お互い競い合い、励ましあいながら目標を達成するようなアプリもあるようだ。一人では難しいという人は、そのようなアプリを使ってもいいだろう。
スマホのアプリでなくてもいい。
大切なのは、記録をするということである。しかし、記録自体も習慣の一つなので、まず記録を楽しめるようにすることが肝心だ。
ある程度記録が溜まると、今度は記録しないと気持ち悪くなったり、もったいないと思うようになる。そうなったら習慣化されたといえる。
記録が習慣になれば、次は目標に向かってどんどん近づいていることが楽しみになってくる。
目標は体重そのものよりも、たとえば東京から大阪まで歩くとか、月間取得カロリーを45,000Kcalに抑えるとかそういう間接的な目標(経営用語だとKPIですね)にするほうがよい。
ただ、せっかくスマホを持っているのなら、それはダイエットのための強力なツールになるので、活用することだ。
長くなったので、まとめる。
- ダイエットの真理は「一日の摂取カロリーが、消費カロリーを上回れば太る、逆なら痩せる」ということだけ(摂取カロリーにアルコールは含めなくて大丈夫。また筋肉が多いほうがカロリーを消費しやすい)
- 食事を抜いたほうがいいかどうかなどは、生活のパターンによる
- 炭水化物を減らし、油は気にしないというのが僕や僕の周囲の人のパターンだが、個人差があるように思う
- 単品ダイエットや一時的な禁酒など、食習慣を変えないダイエットは、リバウンドするのでやめるべき
- ダイエットとは習慣を変えることであり、習慣を変えるには簡単に記録ができ、記録が蓄積できる方法が有効である(その意味でスマホのアプリは使える)
- 目標を定めるときは、体重そのものでなく、その前の中間的な指標(KPI)を定めるのがよい
さて、僕が冒頭で断言したことを再掲する。
万人に効果がある究極のダイエット本はかつてなかった(これからもないだろう)。
しかし、ある人にとっては究極のダイエット本は存在し、既に出版されている可能性がある。
この理由は、もうお分かりだろう。
まともなダイエット本は、僕のまとめで言えば、1、4、5と同じようなことが書いてあるはずだ。ただ、方法論はそれぞれ違う。まとめで言えば、2、3などにバラエティがあるということだ。
そのバラエティが著者の経験であり、個性であるわけだが、万人に向くとは限らない。
その人の嗜好、性格、年齢、性別、病歴、体力、健康状態などの要素によって方法論は千差万別である。
僕だったら、たとえば「酒飲みでマヨラーの中年男が標準体重まで痩せてリバウンドしない法」というタイトルで本を書くかもしれない。しかし、これが万人に向いているかというそんなはずはない(第一、よい子は買ってはいけない)。
だから、万人向けの究極のダイエット本は原理的に存在しないはずだし、そう謳っている本は間違いなくニセモノだから無視することだ。
もしかしたら、まとめの1,4,5だけについて書いた本は究極かもしれないが、そんな本を出版する会社があるとは思えない。あまりにもあたりまえだからだ。
僕が例に挙げたように「酒飲みでマヨラーの中年男」のようなセグメント化をして、そのセグメントに売れそうだったら本が出るということになる(まだ、書ききれていないノウハウもあるので、マジで興味を持った編集者がいたらツイッターのDMください)。
なので、もしかしたら既にあなたの向けの究極のダイエット本が存在している可能性もあるわけだ。
ただ、ほとんどは廃刊になっているだろう。ダイエット本の寿命は短い。
以上。ご参考になれば幸いである。
ところで・・・
一つだけ、説明不能な現象がある。うちの夫婦だけかもしれないが、我が家では例外なく起こること。
どか食いした翌日はたいして体重が増えなくても、翌々日に増えることがある(もちろん翌日に増えることもあるのだが、翌日増えないときはたいがい翌々日に増える)。
これって、質量保存の法則に反していると思うのだけど・・・。
謎です。
えっ、連日どか食いしただけでょうって? それがそうでもないのです。僕らの腸がクラインの壺になっていて、食べたものが一時的に異次元にいって、戻ってきているのだろうか。
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