サービ品質の低下を新たなビジネスチャンスにする驚きの方法
またまた、ご無沙汰しています。
今日は、サービスと価格についての考察を。
---
私は、東京ディズニーシーが大好きです。ディズニーが好きなのではなく、ディズニーシーが好きなのです(ディズニーランドも好きですが、どちらかというとディズニーシーのほうがいい)。そこで、面白いことを発見しました。
ディズニーランドやディズニーシーは、時々夕方から貸し切りイベントを開催することがあります。そんな場合は、一般のゲストに対する閉園時間が早まります。本来であれば22時まで開園しているところを、18時30分ぐらいで閉めちゃうんです。
そこで、そんな日にディズニーランドに来園した人には、「閉園時間が早くてごめんなさい」とばかりに、もう一方のパークに格安で入れる優待券を配ります。例えば、夜6時から入園できる「アフター6パスポート」が2,000円ぐらいで買える優待券がもらえるわけです。
ランドやシーに来た人の多くは、あらかじめ閉園時間を調査しているでしょう。しかし、もちろん閉園時間が早まっていることを知らない人だっています。「えー、せっかく来たのに閉園時間が早いのー?」って残念に思う人に対してのお詫びに、他のパークに格安で入れる、というわけですね。サービスの低下を、代替の(同等の品質の)サービスで補っているわけです。
これはこれで、一種のサービスです。しかし冷静に考えると、ここには巧妙なしかけがあります。といっても、決して悪巧みをしているわけではありませんよ。
まず、その優待券の期限は、「その日」限り。次に来た時に使おう、というわけにはいかないのです。それに、その券はあくまでも「優待」券であり、「招待」しているわけではありません。それから、ここが重要なことなんですが、たとえ閉園時間が18時30分であっても、パークの入場料は割引をしないのです。
例えば、入場者約3万人のうちの1割、3千人がディズニーシーに行ったとすると、約600万円が「パークの閉園時間を短くしたことによって」手に入ることになります。(貸し切りイベントでも追加の売上を手にすることでしょう)。
これは、ゲストに対するサービスの低下を逆手にとってお金儲けをする、非常に巧妙なやりかたです。まとめると、
- サービスの低下を素直に詫び、代替のサービスを提供する。
- ただし代替のサービスは格安だけど有償。
- 低下したサービスの価格は変えない。
ということです。
このようなことをすると、お客さんが逃げるんじゃないか?と心配になります。しかし、お客さんは、元のサービスの品質に十分満足しており、価格との整合性に納得がいっていれば、逃げないのです。もしかしたら「ラッキー、もうひとつのパークに格安で入れちゃった」と思うかもしれません。今までもうひとつのパークに足を踏み入れたことのない人が、これをきっかけに新たな顧客になってくれる可能性だってあります。
---
重要なことは、自分たちが提供しているサービスの品質に自信があって、それをお客さんも納得していれば、必要以上に価格を下げる必要はないってことです。それに、上手にやれば、自分たちの品質低下をきっかけにして新たなビジネスチャンスをつかめるかもしれませんよ。