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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

ITの世界の技術革新は人の仕事を奪う

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みなさん、大変ご無沙汰しております。

少し前に「ふと」思うことがあって、このブログも更新しなきゃいけないなぁ、と反省しました。

さて、今日は少し考えさせられる(というか、私は考えさせられた)お話です。

先日、本当に久しぶりに、自宅近所を走るバスに乗りました。バスそのものも新しい車種になっていて、横揺れも少なく、快適になっていました。

が、何か違和感があるんです。なんだろう・・・

その違和感は、すぐに気づきました。車内アナウンスの声(「次は、○○です」って声)が、音声合成になっているのです。人間の声に非常に近いのですが、それでも抑揚が少なく、若干早口で、お世辞にも聞き取りやすいとは言えない声になっていました。

こんなところにもIT化(?)の波が・・・と思うのと同時に、ひとつの事実が浮かび上がってきました。

今まで、このバスの車内アナウンスを録音していたナレーターの人は、クビになったのか?

おそらく非常に高い確率で、社内アナウンスを録音している人はバス会社の社員ではなく、地元のプロダクションに所属する「声を職業としている人」が担当していたのでしょう。そのアナウンスは何年かに1回録音し直し、スポンサーの紹介(「○○病院へお越しの方は、次でお降りください」とか)や注意喚起(「お立ちの方は、つり革、てすりなどにおつかまりください」など)などがそのたびに更新されていました。その人(プロダクション?)の仕事が、音声合成によってなくなったことを意味しているのです。

ぅわー、と思いました。IT技術の進歩は、ITと直接関係ない、アナウンサーやナレーターと呼ばれる人たちの職業をも奪うのか、と。品質に重要な影響を与えないレベルの「声の仕事」は、今後どんどん(すべてではないでしょうが)音声合成に置き換わっていくことでしょう。ということは、言い換えれば若手が修行するチャンス、場数を踏むチャンスが減っていくことに他なりません。

声を職業としている人、いや、もしかしたらすべての職種の人たちは、今後の「IT化によって仕事が減る」ということに備えておいたほうがいいかもしれません。IT化は避けられないでしょう。そのときに「コンピュータにできないことをやる」という意味で、技能を身に着けておく必要があると思います。

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