私が知っているとは限らないのよ
先日、友人の家に自家用車で遊びに行ったときのことです。
彼の家(マンション)には、来客用の駐車場があります。私はそのことを知っていますが、その来客用の駐車場に車が何台停められるかということは知りません。
さて、彼の家まであともう少しというところで車を停め、彼に電話しました。
私「来客用の駐車場、空いてる?」
もしいっぱいだったら、近くのコインパーキングに停めようと思ったからです。
しかしそこで彼は、私にこう答えてくれました。
彼「今、2台停まってるよ。」
いや、あのね・・・
それは私の質問の答えになっているようで、微妙になっていない。
実は彼のマンションの来客用駐車場には、車を3台停めることができます。もし私がその事実を知っていれば、「ああ、あと1台停められるんだな。ということは、空いているんだな」と判断することができたでしょう。しかし残念ながら、私は「全部で何台停められるか」ということを知らなかったのです。思わず
私「いやだから、空いてんの?空いてないの?」
と聞いてしまいました。彼はあきれた、というような声の調子で
彼「だから2台しか停まってないから、空いてるってば」
と答えました。「空いてるってば」って言われても、彼の口から「空いてる」という言葉が発せられたのはこれが初めてなわけなんですが、彼の頭の中ではそうではないんですね。2台停まってるという最初の答えで、頭の中では「空いている」と伝えたつもりなんです。
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このコミュニケーションミスは、
- 私が彼に「私は駐車場に何台停められるかを知らない」ということを伝えていなかった
ことと
- 彼が「谷は来客用駐車場の存在を知っているんだから、何台停められるかも知っているだろう」と思い込んだ
ことに起因しています。
私が知っていることを相手も知っているだろう、とか、私が知らないということを相手は理解してくれているだろう、と無意識のうちに決め付けてしまうことの恐ろしさです。このようなコミュニケーションミスが仕事の場で起こったら、場合によっては結構大変なことになる可能性もあります。
コミュニケーションは、多少クドいぐらいのほうがちょうどいいのではないか、と思います。
そのぶん使う言葉をシンプルにわかりやすくして、クドさを感じさせないようにするのが良いのではないかと。