つまらない会議をワクワクさせる方法その4- ファシリテーションする(前半)
ファシリテーションという言葉は近頃、大分、一般にも浸透してきたかと想います。ウィキペディアによると
会議、ミーティング等の場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為で介入し、合意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、恊働を促進させる手法・技術・行為の総称
とあります。
それではコンセンサスビルディングという言葉はどうでしょうか。こちらは、もう少しアカデミックな場で使う言葉ですが、日本語に訳せば合意形成、ということになります。
私の解釈では、ファシリテーションという手法を用いることによって、組織のコンセンサスビルディングすなわち合意形成を図る、ということだと考えます。
さて、本題に戻りますと、こうしたファシリテーションやコンセンサスビルディングの考え方、手法を使って、いままでのつまらない会議をワクワクさせる方法を説明したいと思います。
まず、つまらない会議の特徴としては以下のようなものがあります。
ひたすら上司の話を聞いている会議
一言も発言する機会が無い、また発言したくない会議
その場で上司に怒られて気まずい思いをする会議
集まったメンバーがバラバラなことを言っていて何のための会議か分からない会議
何時間も話し合ってもまったく結論がでない会議
とりあえず招集されたがなんの会議かわからない
こうしたつまらない会議に対して、少なくとも会議に出るというモチベーションをあげるために、前回以下のようなワクワクする会議のルールを決めましょうというお話をしました。
1. 会議の目的を決める(何を皆で決定したいのか、コンセンサスをとりたいのか、はたまた何に対して意見を言ってほしいのか、など)
2. 目的に基づいた会議のアジェンダを事前に作り、参加者に必ずメールなどで共有しておく。(アジェンダはできるだけ会議の内容が分かるような詳細ものが望ましい)
3. 会議のファシリテーターを事前に決めておく。(ファシリテーターは会議を上司の一方的なプレゼンの場から救ってくれます。)
4. 会議の終了時間を決めておく(加えて終了時間までに最低限何を決定するかも)
5. 継続した会議であれば、前回の議事録は必ず共有しておく(それ以前に議事録、またはもっと簡易な議事メモさえ、とっていない会議もたくさんあります。)
こうした出発点をきちんと行った上で、次にいよいよファシリテーションにより会議をワクワクさせる方法をご説明します。
まず、今日の会議はいままでの会議とは違うということを、皆に説明する必要があります。そのためには、まずファシリテーターが前に出て、今日の会議の目的を説明するところから始めます。その際、これも以前お話しした会議の目的やメンバーの置かれた状況などをビジュアルにホワイトボードに書き出していくとよいでしょう。例えば、自分たちはエベレストに登頂しようとしているハイキングチームで、エベレストの山頂のところに、この会議で決定したいことを書き出していきます。
まずそれだけで会議のメンバーのワクワク感があがってくるはずです。遊園地のアトラクションに乗っているような感じにさせてください。
もし、ここで初対面のメンバーがいればファシリテーターが、自己紹介を促しましょう。あらかじめ自己紹介してほしい内容を3つくらいホワイトボードに書き出して行くとよいと思います。例えば
名前、所属部署
いつも何をやっているか
この会議で何を期待するか
などです。ファシリテーターは、初対面の方が多い場合には、自己紹介していただいた名前と特徴をホワイトボードの隅にでも書いておきましょう。すると会議の間中、みながそこをみることになります。
会議メンバーで特に初対面の人の話を聞いたり、自分が自己紹介をしたりすると会議の雰囲気が凄く変わります。この時点で皆が会議にインボルブされるのですね。
知っているもの同士の会議ではここでのワクワク感がでてこないので、例えば、わざと、新しいメンバーを恣意的に入れてみるというのも会議をワクワクさせるこつかもしれません。
さて、次の回では、ファシリテーターが会議をワクワクさせる本領発揮?の部分をご説明します。