『ビジネス・コミュニケーション白書2015』に見る職場の実態
こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。
9/9に東京にある日本経営協会さんにて、ビジネスコミュニケーションに関する講演をさせていただきます。
今回の講演では、日本経営協会さんが刊行された『ビジネス・コミュニケーション白書2015』の調査結果の報告と提言も行われます。一足お先に、本白書を拝読させていただく機会に恵まれました。
この白書では、企業や公官庁など、職場におけるコミュニケーションの実態をアンケート調査されたもので、社(庁)内外のコミュニケーションにおける新たな課題等を含め、全国の企業・団体の現状を把握し、取りまとめることによって、職場環境や業務の改善に活用していただくことを目的としているそうです。
この白書を読んで感じたことを一言で表現すれば、社(庁)内外のコミュニケーションが対面から、ICTなどの場に変化していることが如実に表れていることでした。近年では、職場のとなりの人ともメールやチャットでやり取りする方も多く、対面コミュニケーションが減っているのは感覚的には知っていました。しかし、数字で表されると、その実態が明白です。
たとえば、本白書によれば、社(庁)内のコミュニケーションにおいては・・・
社内(庁内)コミュニケーションが行われている場は、「執務スペース」(44.3%)が前回から14.1ポイント比率を落とした。一方「Eメール・グループウェア・社内(庁内)版SNS等のバーチャルな場」が51.6%という高い比率となった。コミュニケーションの場は、対面からバーチャルな場に変化していると推測される。
出典:ビジネス・コミュニケーション白書 | 一般財団法人日本経営協会
とのこと。つまり、日常のコミュニケーションは対面よりもICT上が多いってことですよね。
一方、課題として・・・
ICT(情報通信技術)の活用によるコミュニケーションは、職場に次のような弊害をもたらしている。(1)対面でないこと、一方的であることによって、正確な情報伝達が困難。(2)ICTスキルの不足や個人差によって、情報検索・取捨選択が困難。
出典:ビジネス・コミュニケーション白書 | 一般財団法人日本経営協会
としています。また、コミュニケーションがICTに変化している分・・・
コミュニケーションの円滑化に必要なこととして、前回調査に比べ、「日常の会話」「相手を理解しようとする意識」「対面での話し合いの機会」「話し方・傾聴のスキル」がそれぞれ順位を上げていることから、企業(団体)は、直接会話の減少に伴う会話スキルの低下について危惧していることが推測できる。
コミュニケーション円滑化対策としては、「社内(庁内)イベント・懇親会等の開催」「面談・面接の制度化」といった対面コミュニケーションの場を設けることが上位を占めた。続いて多かったものは「集合研修やOJTによるマインド(意識)の醸成」「言葉や掲示による意識づけ・啓発」「集合研修やOJTによるスキル(技術)の育成」等の育成・啓発系の回答であり、スキルとマインドに重点を置いている企業(団体)が多いことも確認できた。
出典:ビジネス・コミュニケーション白書 | 一般財団法人日本経営協会
としており、多くの企業・団体では、対面コミュニケーションの重要性や、スキル向上の必要性を感じているようです。
このことから、今回の講演では、これらの内容を踏まえたお話をしたいと思っています。大きく分けて、次のようなテーマでお話する予定です。
- 世代におけるコミュニケーションツールの変化
- ICTコミュニケーションの特徴と留意点
- ICT時代だからこそ必要な対面コミュニケーション
- 社(庁)内コミュニケーションを円滑にする方法
私自身、IT業界に身を置いていましたし、ICTによるコミュニケーションの便利さも知っています。一方、ICTでは主に言語情報のやり取りが主なため、表情や声のトーン、ジェスチャー、感情面が伝わりにくく、コミュニケーション・エラーが起きやすい実態があります。
便利なものは使いつつも、どのようにしたら・・・
- ICTにおけるコミュニケーション・エラーが防げるのか
- 対面コミュニケーションが増やせるのか
- 対面コミュニケーション能力があげられるのか
などをテーマに、実体験を踏まえてお話したいと思っております。もし、ご都合がよければ、ぜひ、ご参加ください。詳細、お申し込みは、日本経営協会さんの案内サイトからどうぞ(セッション・エラーになる場合は再度読み込むと表示されます)。
なお、『ビジネス・コミュニケーション白書2015』は無料で入手できるそうです。こちらのお問い合わせから、「ビジネス・コミュニケーション白書について」の欄の当該メールアドレスに、白書希望の旨をお書き添えの上、お申し込みください。