「決める」効果
こんにちは、竹内義晴です。
誠Biz.IDに連載させていただいている『ボクの不安が「働く力」に変わるとき』の新しい記事『「がんばらなきゃ」の背景は「やりたくない」……そんなときの対処法』が公開になっています。もしよろしければご覧ください。
仕事をしていると「がんばらなきゃ」と思うときがあります。
例えば、私は伝票の整理があまり得意ではありません。「面倒くさい、けれども、やらなければいけない……」伝票整理は私にとって、「がんばらなきゃ」とおもって取り掛かる作業の1つです。
伝票整理のような仕事は短期的なので、ちょっと空元気だして気合いをいれても、やり終えた達成感がビールをおいしくしてくれるので、さほど影響はないのでいいんです。
問題なのは、自分やチーム、会社にとって大事な仕事、コアな仕事、生計やモチベーション的な糧(かて)になっているような仕事です。なぜなら、そのような仕事は、自分にとって大切であるがゆえに、無理に自分にハッパをかけたり、追い込んだりするために、「苦しさ」に変わることがあるからです。それが続くと、結構しんどい。
「売り上げ上げなきゃ」「営業しなきゃ」「がんばらなきゃ」「もっとがんばらなきゃ」……って追い込んでいくの、結構しんどくありません?みなさんもそうじゃないですか?
そこで、「がんばらなきゃ」と思ったときの対処法についてお話しました。
この中の1つに、『「がんばらない」と決める』という話をさせていただいたのですが、これ、かなり効果的なので、ここでも改めてご紹介したいと思います。
実はわたくし、今年になって「がんばらない」と決めています。だからといって、「仕事を適当にこなす」とか、「仕事よりあなたらしさが大事。だから、がんばらなくていいよ」みたいな癒し系の話ではないです。
私たちには「がんばることが正しい」「努力することが美しい」みたいな価値観が無意識のうちにあるので、よっぽど意識していないと、目の前に上手く行かないことがあると、つい「がんばること」で解決しようとしてしまうんですよね。
ここまでお読みになって、「そうは言っても、仕事なんだからがんばんなきゃいかんだろう」とか、「そりゃ、楽しくできたらいいけど、仕事ってそもそもそういうもんでしょ」と思っているかもしれません。
「がんばらなきゃ」と思ってしまう時点で、実は、その背景には、本当はやりたくないとか、何かしらの無理があるんです。でも普段は、「仕事とはがんばるのが当然」という価値観が私たちにはどこかしらにあるので、自分の本音について、あまり考えることがありません。また、「がんばらなきゃ」と思っている時点で、動かないものを無理やり動かそうとしている場合も多いので、仕事内容的に、どこかしらに無理や効率の悪さにもつながりがち。
短期的なことなら気合いで乗り切ってもいいのかもしれませんが、そもそも、無理をしなければ動かないものを動かすのはしんどいし、無駄も多いし、やる気も出ないし。
私は、無理に「がんばらなきゃ」ではなく、動かないものを無理に動かそうとするのではなく、自然と「がんばりたくなる」環境を作りたいと思っているんです。せっかくやるなら、楽しく仕事がしたいと思っています。そう思っているのも関わらず、目の前に上手く進まない仕事があると、つい、「がんばらなきゃ」と思ってしまい、「がんばること」で乗り切ろうとしてしまうのです。
そこで、威力を発揮してくれるのが、『「がんばらない」と決める』ことです。「がんばらない」と決めることで、「これじゃだめだ。もっとがんばらなきゃ」と思ったときに、「あれ?お前、またがんばろうとしてない?がんばらないって決めたんじゃなかったの?」と気づかせてくれます。そして、「あっ、そうだった、がんばらないと決めたんだった」と我に返ります。
そう、まるで、がんばりそうになったときに警告をしてくれるアラームシステム。
気づくことができれば、「もっと楽しくできる方法を考えてみよう」「このまま、とりあえず進めよう」「無理しているからやめよう」など、いろんな選択肢を持つことができます。選択肢とは、仕事に対する柔軟性です。動かないものを無理に動かすのも1つの方法ですが、もっと楽しく、簡単に、心地よく仕事ができれば、それに越したことはないじゃないですか。それを考えるきっかけができるんです。
もし、あなたが、「がんばること」で問題を解決しようとする習慣があったら、「がんばらない」と決めてみてください。ことのほか、効果がありますよ。
「決める」「決意する」って大事だなと、改めて思っているところです。
合わせて、『「がんばらなきゃ」の背景は「やりたくない」……そんなときの対処法』も読んでみてくださいまし。