数字は半角で書くべき?
先日、あるところで「数字は半角で書くべきだ」という意見を見ました。
ボクもプログラマー時代、「数字は半角で書くべきだ」と思っていました。いや、もっと正確に言えば、最近までそうでした。
数字を半角で書く理由はいくつかありますが、一言で言えば「職業柄」といったところでしょうか。
ボクはプログラマー時代、Web系のアプリケーションを組むことが多かったのですが、2000年頃は、インターネットで使う日本語の全角文字は文字化けしやすかったので、「英数字は半角を使う」とか、「"まるいち"のような特殊文字は使うな」というのがある種の業界標準で、その習慣がずっとありました。
また、全角の「1」と半角の「1」では、同じ「いち」でも、コンピューター上で扱う情報(これを「文字コード」と言います)が異なるので、同じ「いち」として扱えるようにすべて半角に統一して扱おうとする習慣が、数字を半角で書かせていたのかもしれません。
そのほか、見た目がそろっていた方が美しいとか、全角数字より半角数字のほうがなぜか知的に見える(ような気がする)とか、あーとかこーとか、いろんな理由がありました。
けれども、最近、そのこだわりがあまりなくなってきました。
その理由を一言で表せば、「いろんな書き方がある」ということを知ったからです。
■「数字は半角」にこだわらなくなったきっかけ
その最初のきっかけは、あるメールマガジンから寄稿を依頼されたときでした。そのメールマガジンでは書き方のルールがあって、数字が1桁のときは全角文字、2桁以上のときは半角文字を使うと指示されました。
つまり・・・
「私は3(全角)月15(半角)日生まれです」
のようにです。
これは「読者の読みやすさ」を意図しているとのことでした。メールソフトでは等幅フォントが使われる機会が多いので、文字が縦横そろっていたほうが読みやすいのでは?という配慮です(ちなみに、数字が3桁以上のときも半角とのことでした。縦横をそろえるために、半角スペースを入れて工夫したりもしました)。
これ、プログラマー出身としては少し気持ちが悪い表記なのですが、「読者の読みやすさ」という視点でみたら、「なるほど!」と思ったできごとでした。
私もメールマガジンを書いているのですが、それ以来、メルマガの場合はこの表記にしています。
■数字に全角文字が使われている資料もある
また、プログラマー時代よりも、いろんな資料を目にする機会が増えたこともこだわりがなくなったことの1つです。
たとえば、行政や法務関係の資料では、
平成25年 3月15日
のように、数字に全角文字を使っているものがたくさんあります(その理由はよく分かりません。詳しい方、教えてください)。フォントが等幅+明朝体を使っていたりすると縦横きれいにそろうので、これはこれで美しい……。逆に、数字だけ違うフォントになっていたり、縦横がそろってなかったりすると違和感があるから不思議です。
ちなみに、士業の方によれば、「数字は全角」であることが多いそうです。行政系が全角を使うことが多いからか、それに見慣れているのでしょうね。きっと。
■で、結論
この記事のタイトルは、「数字は半角で書くべき?」です。
少し前の私なら、「数字は半角で書くべき」でした。特にプログラマー時代は「ドキュメントに使う数字を全角で書くなんてありえない」でした。
けれども、いろんな業界のいろんな意見に触れて、今現在の私なりの結論としては、「自分のこだわり」は薄れ、「読み手の読みやすさ」のほうが大事なのかも?と思うようになり、そのときそのときで書き方を変えています。
ざっくりまとめると・・・
- 基本は半角。無秩序に混在させない
- メールマガジンは1桁なら全角+2桁以上は半角
- 行政や法務系の場合は全角
- 書籍など縦書きの場合は「縦になったらどうなるか」も考慮して。時に漢数字も
- 見出し等、半角では見づらいときはあえて全角にすることも
- その他、相手に合わせて
いろんなご意見はあろうかと思いますが、現在はこんな感じで落ち着いています。