大学受験に不合格だったあなたへ
知人のご子息が大学受験に不合格だったとのこと。
知人も、そして、ご子息もさぞかしショックなのではないかなと思うのだけれど、電話して励ますのも何か不自然だし……。
でも、なにか、一言残したいなぁと思ったので、届くことはないと思いますが、ここに付しておくことにしました。
数年間、大学合格を目指してきたあなたにとって、不合格だったのは相当ショックな出来事だったと思う。
合格した同級生を横目に、羨ましく思ったり、別に憎んでいるわけではないけれど怒りに似た感情が芽生えたり、ご自身のことを「どうせ……」などと思っているかもしれない。
また、周りの大人たちの「大学がすべてじゃない」「いつでもやりなおせるよ」「人生に何の挫折もなしに上手くいく人なんていないよ」「これもいい経験だ」「前を向いてもう一度頑張ればいいさ」などの励ましも、頭の中では理解できても、あなたのこころには響かないかもしれない。
悔しさに打ちひしがれるのは、それだけがんばってきたからこそそう感じるんだと思う。今まで本当に大変だったと思う。
けれども、これだけは忘れないでほしい。
今はまだ、分からないかもしれないけれど、近い将来「あぁ、あのとき不合格になって本当に良かった」と思える日が必ず来る。
そして、その時、周りの人にこんな風に話しているだろう。
「大学受験のとき、実は不合格になっちゃって本当に悔しかったんですけど、あれがあったおかげで、今こうして、ここに立てているんだと思います。」
私自身、いろんなところでお話するのは失敗談ばかりです。悔しさが1つ上の階段を登らせてくれ、さまざまな知恵を学ぶ機会を与えてくれました。
「人生、すべてネタになる」――今は、そう考えるようになりました。
事実を変えることはできない。だけど、それは失敗じゃない。
消化するまでには少し時間がかかるかもしれませんが、次に向かって、歩んで行ってください。