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「ドラッカーの流行が表す不健全な社会」―やりたいことを形にするための「建て増し式」実現法とは?

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こんにちは、竹内義晴です。

先日、新潟県上越市で社会福祉法人りとるらいふを経営されている
片桐公彦さんにお話をお伺いしました。

片桐さんは、障害者のみなさんが
地域の中で「当たり前に生活できる環境作り」をされていて
障害者のみなさんをサポートする施設に加えて
雑貨屋さんなども運営されています。

 

■片桐さんにお話をお伺いしようと思った理由

今、いろんな不安定要素がありますよね。
ボク、社会って、そもそもが不安定なものだと思っているんです。
「不安定な環境の中で、安定した気持ちで歩めることって、大事だな」と。

そんな、不安定な社会の中で、
やりたいことを形にしているのが片桐さんです。

社会福祉法人の理事長って、あなたはどんなイメージを抱きますか?
何かこう、「問題を解決して、社会を変えたい!」というような
大きなビジョンを描かれている方のようなイメージがありますよね。

片桐さんは、私たちが抱くそんなイメージとは真逆の感じの方で
大きなビジョンというよりも
身近なことからやりたいことを実現していくような
とってもフレンドリーで楽しい方です。

アルバイトや市役所の非常勤職員を経て、
機会を引き寄せ、やりたいことを楽しそうに形にしている片桐さんに
やりたいことを形にするためには、どんなことがポイントなのか
ぜひ、お話をお伺いしてみたいと思ったんです。

 

■一番印象に残った言葉

いろんなお話をさせていただいたのですが
もっとも印象に残っているのは、次の言葉でした。

「ボクこれ、あんまりしゃべったことないんですけど、会社員の人がドラッカーの本を読むのは、不健全な社会だと思うんですよ。一般の人もドラッカー的な思考を求められる社会は、非常に生きづらいと思います」

ドラッカーといえば、

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

で一躍有名になりましたよね。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

「もしドラ」は映画化もされて(主演はAKB48の前田敦子さん)、
NHKのアニメでも紹介されるようになりました。

あなたもご存知なのではないでしょうか。

 
■ドラッカーの思想はすばらしい。だけど……

片桐さんの本棚には、ドラッカーの本が何冊もあるそうです。
ボクも何冊か読んでいますが、ドラッカーの思想はすばらしいですね。

ドラッカーの思想はとてもすばらしいのですが

本が100万部も売れるベストセラーになるということは
社会が「ドラッカーのような思想」を多くの人に要求しているということ。

でも、みんながみんな
ドラッカー的な思想を『もたなければならない社会』というのは
本当に生きやすい社会なのか、本当に健全な社会と言えるのか……

「もっとゆるくてもいいのではないか?」と、片桐さんはおっしゃいます。

 

■たとえば……

ほら、最近、何かというと
「ビジョン」とか「ミッション」という言葉が出てくるじゃないですか。

政治もそうだし、会社でもそうです。
ひょっとしたら、教育現場もそうなのかもしれません。

「まず、大きなビジョンを描いて、そこから詳細をブレイクダウンしていくのだ」と。

でも、

「大きなビジョンがないから、動けない」という弊害は、ないでしょうか。
「大きなビジョンを描かなければいけないのに、そんな思いはない私は……」
という迷いを、生んでいないでしょうか。

「ゆるい」っていうのは、「だらけましょう」ということではなくて、
「もっと身近なことから始めてもいいんじゃない?」ということ。

いろんなやり方があるから、
みんながビジョンやミッションがなくてもいい。

私たちにとって、もっと身近な、

  • 毎日を楽しく過ごすこと
  • 目の前の小さな課題をきちんと片付けること

「こんなことをしたら、もっと面白いんじゃない?」
「こんなのがあったら、みんなハッピーだよね」というような小さなことを中心に
もっとゆるく、楽しくやっていけばいいんじゃないかと、私も思います。

(で、やっていくうちに、見えてくるビジョンもあるわけです。)

実際、片桐さんがりとるらいふを設立したきっかけは
「目の前に困っている人がいるのに、それを支援するサービスがない」
という不全感からだったといいます。
(むしろ、崇高な思いは何もなかったそうです)

 

■ビジョンやミッションも大切、だけど……

ビジョンやミッションのような、抽象的な話も、とても大切ですよね。

その反面、具体的ではないので、何をどうしたらいいのか迷ったり、
何から始めたらいいのか分からず、
悩んだりしている方もいらっしゃるかもしれません。

片桐さんのお話を伺って、
「身の丈にあったことから始める」ということの重要性を学びました。

身の丈にあったことから始めていいのなら、
私たち誰もが、何かを始められそうですよね。
動くことで結果がついてくるから、すごく大切なことだと、私も思いました。

あなたも、何か、身の回りで
「こうしたほうがいいんじゃないか」って思っていること、ありませんか?

私たちのできることから、はじめていきたいですね!

 

■音声配信のご案内

今回の音声を収録しました。

現代の、抽象的な思考に違和感や生きづらさを感じている方や
何かを始めたいけれど、何から始めたらいいのか分からないという方には
大きな癒しと、ヒントになると思います。

「なぜ、日本人は大きなビジョンを描きにくいのか」
「目の前の一人をハッピーにすると、得られること」
「たった40万円からはじめて、1億円の事業にする事業の組み立て方」
「やりたいことを形にするための「建て増し式」実現法とは?」
「逃げるスキル」(笑)

など、いろんな知恵を教えていただきました。
お話がリアルで面白いので、音声を編集しながら、
「うんうん」とうなづきながらも、何度も笑ってしまいました(笑)。

Top_image_2 音声を配信していますので、
もし、よろしければ聴いてみて下さいね!

やりたいことを形にするための「建て増し式」実現法とは?
社会福祉法人りとるらいふ 理事長 片桐公彦

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