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避難所で「こころの処方箋~避難生活を安らいだ気持ちで過ごすために~」というお話をしてきました

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こんにちは。竹内義晴です。

昨日、震災・原発被害の避難所になっている国立妙高青少年自然の家で
「こころの処方箋~避難生活を安らいだ気持ちで過ごすために~」
というお話をしてきました。

 

国立妙高青少年自然の家においでの皆さまへ

特定非営利活動法人しごとのみらい

「話を聞く会」のご案内
こころの処方箋
~避難生活を安らいだ気持ちで過ごすために~ 

 このたびは、東日本大震災に関わる被害に遭われた皆様に御見舞いを申し上げます。
慣れない土地での生活はご苦労もあり、長期間にわたる避難生活で、大変お疲れのこととお察し申し上げます。

 緊急事態であればあるほど、毎日の変化への対応に一生懸命ですが、時が経過し、次第に落ち着きを取り戻してくると、先行きが見えない将来に不安を抱き始めていたり、不安がる子どもたちへの対応に苦慮されていたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか?

  そこで、下記の通り「話を聞く会」を開催いたします。不安を抱いたときにどのように自分自身と関わればいいのか、子どもたちなど、不安がる周囲の方々にど のように関わっていけばいいのかについてお話をさせていただくことで、毎日を少しでも安らいだ気持ちで過ごしていただくお手伝いができれば幸いです。何ら かの不安を抱えていらっしゃる方、周囲に不安を抱えている方がいらっしゃる方、お子さまがいらっしゃる親御さんなどのご参加をお待ちしております。

 一日も早く、皆さまの日常を取り戻せる日が来ることを願ってやみません。

日時    平成23年5月6日(金) 13:00開始 (1時間ほどの予定)
会場    国立妙高青少年自然の家 学習室

以上

話し手:竹内義晴(たけうち よしはる)

コ ミュニケーション心理学の専門家として、カウンセラー、保健師、教師、介護福祉士などにコミュニケーションや心理学の講義、ビジネスのリーダー層へのコー チング、カウンセリングを行っている。NHK第1ラジオ「私も一言!夕方ニュース」~被災地での心のケア~出演 こころの処方箋―震災時のメンタルケア (ITmediaエンタープライズ)連載 『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』著者 米国NLP協会認定NLPトレーナー(コミュニケーション心理 学) 特定非営利活動法人しごとのみらい理事長

 

同所で震災・原発被害に関するメンタルケアのボランティアに行っています。
一度、顔をあわせて、どんな人なのかを知っていただくことで
「もっと気軽に話をしていただけたらいいな~」と思ったのが、そのきっかけです。

最初に、震災から一ヶ月半経過し、今、どのような気持ちなのかを伺いました。
参加していただいた方のお話によれば、

  • 震災当時は、慣れない集団生活でさまざまな人間模様が見え、ストレスが非常に高かった
  • 避難所での生活にも慣れてきて、安定感はある
  • さまざまな面で支援していただけるのはありがたい

などの意見が寄せられました。

阪神淡路大震災を経験された方の話によれば
もっとも気持ちが不安定になるのは「仮設住宅ができたころ」だったと言います。

そのようなお話をしたところ
「分かる気がします……」と、参加されたある方はおっしゃいました。

「どのような部分で、分かる気がしますか?」と伺ったところ
「避難所では食事もあるからいいけれど、仮設住宅ができると、住まいはあっても、
 食事ができるわけではないし、仕事もない。この先の将来を考えると不安がよぎります。」

ということでした。

これまでの、毎日を生きるのに一生懸命な段階から
ある程度生活が落ち着いてきた今、これから、抱いてくる不安は変わってきます。
これまでの集団生活から離れると一人で考える時間が増えるから、余計に不安になるのでしょうね。

「将来」を考えたときさまざまな不安に襲われるかもしれません。
それは、とても自然なことだと思います。

そこで、どのように対処したらいいのかについてお話してきました。

このようなシーンで有効なのは

  • 同じ立場の方と集うこと
  • 不安を共有すること

です、「一人ではない」という感覚が気持ちを落ち着かせてくれます。

もし、周りに同じ立場の方がいなかったら
近くにいる保健士や看護士、カウンセラーなど、話を聞いてくれる方に話をしてみてください。
身内だとなかなか話せないことでも、第三者は話しても直接的な害がないので
安心して話すことができます。

自分の内に抱えていることを話せば、すっきりした気持ちになれるのでおすすめです。

また、将来への不安への対処でもっともいいのは
身の回りで、今できることを、少しずついい方向へ動かし始めること。
些細なことでかまいませんので、
少しずつ前に進んでいる感じ、今までと変わってきた感じが、前進感、成長感になりますし、
少しずつ変えていくことで、新たな未来が見えてきます。
小さな行動を継続的にできるといいですね。
 
今回を機会に、今まで挑戦しようと思わなかったことをやってみるのもいいかもしれません。
 
最後に、気持ちを落ちつかせ、安心感を抱くことができる
ちょっとした「おまじない」(簡単なワーク)をお伝えしててきました。
 
ここでも、分かりやすい方法をひとつご紹介しますね。
日常でも使える方法なので、不安なとき、気持ちが落ち着かないとき
怒りがあるときなどにやってみてください。

  • いすにゆったりと座ります
  • 顔や目線を上に上げます
  • ゆっくりと深呼吸します

この姿勢で嫌なことを考えてみてください。
嫌ことが考えにくくなり、気持ちが落ち着いてくることがお分かりいただけると思います。

参加いただいた方のご感想をお伺いしたところ
「前向きな気持ちになれた」とのこと。お役にたてたようでよかったです。

 

以前、ITmediaエンタープライズで、震災時に関するメンタルケアの連載をしました。
この対処はさまざまなシーンでも有効ですので、ご一読くださいね。

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