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「しごと」をもっと楽しくしたい!

はたらく人、Aさんの現実

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このブログでは、新しく作りたいNPOのお話をしています。

で、NPOの目的は

  • 10年後、仕事を「ツライもの」から「楽しいもの」に変えたい
  • 子どもたちが「お父さん・お母さんのように早く働きたい!」と思える社会にしたい

です(毎日書いてますけど(笑))。

昨日は、NPOを作るに当たり、その名称と、活動に関わっていただくことで「こんなんなってたらいいな~」ということをイメージしてみました。

未来を描くことも大事だけど、目の前には現実もある。で、昨日イメージした架空人物Aさんを使って、はたらく人々が、今、どんな現実の中にあるのかを考えてみたいと思います。

あっ、ちょっとその前に……

実は、「10年後、仕事を「ツライもの」から「楽しいもの」に変えたい」という目的は、突然降ってきたフレーズです。なんだか分かりやすいし、「あっ、これだな。これしかないな」って思いました。で、自分でタイプした文字を見たら。最初は「100年後」って書いてありました。「100年後?それじゃ遅すぎる。もっと早くしなきゃ。せめて10年後だろ?。10年後ぐらいにしておかないと、その前にみんながもっと苦しくなっちゃう。」――そんなことを考えて、桁を一桁減らしました。

「10年後、本当に仕事はツライものから楽しいものに変えることができるのか?」……不安です。それができるのか、全然自信がありません。「100年後にしておいたほうが、無責任でいられるんじゃないか?」とも思いましたが、それじゃあまりにも遅すぎるので、10年に決めました。人類全員は無理かもしれないけれど、少なくとも、関わった人々が10年後には「仕事って、意外と楽しいじゃん」そうなっていたらうれしい。

すみません。話が飛んでしまいました。

では、「仕事がツライ」と思っているAさんの現実について、考えてみたいと思います。

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今のAさんは、とにかく「仕事がツライ」と思っています。できれば、仕事なんか行きたくない。一応、肩書きは「マネージャー」とか「チーフ」とか「係長」とか「主任」とかはつくようにはなったけれど、サラリーマンになって、若い頃にトレンディードラマでみたような「自分の裁量の中で、やりがいをもって働いている」というイメージとは程遠く、上司と部下の板ばさみで苦しんでいます。

Aさんの上司は、高圧的で、頑張ればどうにかなると思っているタイプ。高度成長期やバブルの恩恵を受けていた世代で、「やればできる」「オレができたんだからお前もできるだろ?」……そんな、「成長しつづけられる」という幻想を抱いています。

でも、Aさんはもう薄々気づき始めているんです。「もう、これだけモノが行き渡った現在、どこまで成長し続けられると言うんだ……」。もちろん、こんなことは上司に言えるはずもありません。もし、こんなことを軽々しく口にしてしまったたら「俺達にはできた。お前ができないのは頑張りが足りないからだ」と、頑張ればなんとかなった時代を過ごしてきた上司から、精神論でお説教が始まってしまいます。

その思いとは裏腹に、「でも、やっぱり成長し続けなきゃいけないのかな?」なんて不安も抱かないわけではないんです。だって、成長し続けなかったら会社がつぶれちゃうし、おまんま食べれなくなっちゃうから。

そんなジレンマを抱えながら、世間一般では「成長が第一」といわれているので、「やっぱりそうなのかな?」と思っています。

次に、部下はどうでしょうか。みんな、Aさんから指示されるのを待っています。どちらかというとあまり活発ではないし、自発的ではありません。「仕事はお金を稼ぐために、仕方なくするもの。できれば穏便に、このまま長く勤められたらそれでいい。」みんなそう思っています。仕方なく仕事をするんですから、自発性を求めること自体、本来は無理なことなのかもしれません。

そんな部下を見て、上司からは、「Aさん、あなたの部下が自発的ではないのは、あなたのリーダーシップが足りないからだよ。もっとリーダーシップを発揮しなさい。」と言われます。もちろん、Aさんだって、リーダーシップを発揮したいと思っています。「サラリーマン金太郎の金ちゃん」のように、仕事に熱くなりたい。リーダシップを発揮して、部下からも慕われるようになりたい。でも……なかなかそれが叶いません。

頑張ればなんとかなると思っている上司、そして、がんばっても何もならないと思っている部下との間で、「部下にやる気がないのはなぜだろう?どうすれば、やる気を出してくれるんだろう?」「このまま頑張り続けて、ボクは幸せになれるのだろうか?」……Aさんは悩んでいます。その答えは、分かるはずもありません。悩めば悩むほど不安になり、やる気は消え失せていきます。

Aさんは悶々としています。もう、こんな気持ちが何ヶ月も、いや、何年も続いています。本当は、何かやりたい。やってみたい。でも、やる気が出ないし、何をやったらいいのかわからない。ひょっとしたら、違う環境だったらやる気が出るんじゃないか、違う場所に行けば、何か手がかりがつかめるんじゃないか……転職を考えたことがないわけではありません。でも、この不況の時代に転職したって、いい職に就けるかどうかわかりませんし、第一、家族に心配をかけたくありません。

「やっぱり、このまま我慢し続けるしかないのか……」そんな諦めムードで、身も心もへばり気味。「仕事にやりがいを求めるのはやめて、趣味でも探そうか、いや、彼女でもいればやる気になるのだろうか?」そんなことを悶々と考えています。

「変わりたい!」「こんな自分を何とかしたい!」「これを解決するためには、資格があればなんとかなるかな?」「本を読んだり、セミナーにでも行ったりしてみようかな」……ネットや最近流行りの本に書かれている情報を目にして、悩む日々が続いています。

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Aさんが抱いている気持ちは、こんな感じでかなぁ。

あれ?よく考えてみたら、これって以前の自分の姿だ。そうそう、こんなことを考えていた。今より10年ぐらい前、プログラマーだった頃は、プログラムを作ることだけに面白みを感じていたんだけど、それから先は、いつもこんな感じで悩んでいたように思う。

こんなモヤモヤを解消するすべは、酒しかなかった。うん、確かにそうだ。幸い、当時のボクにはいい飲み友達が居て、愚痴や不満をお互いにぶつけ合えたから良かったけれど、最近は、飲みに行く人も少ないって言うし、愚痴れる環境を持っている人も、意外と少ないのかもしれない。

うん、自分の経験から考えても、やっぱり何でも話せる環境って大事なんだなと、改めて思います。

すみません、また話が脱線してしまいました。あはは。

次回からは、昨日と今日のギャップを埋めていくためには、どんなことが必要なのか、事業をもう少し具体的にして行きたいと思います。

追伸:

Aさんを使ってイメージを膨らませたら、事業で必要なものが、ぼんやりとですが、少しずつ明確になってきたような気がします。

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