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ソフトウェア製品開発現場の視点

ユーザインタフェースはまだまだ改善できる

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先週、シリコンバレーに行ってきた。Realcom Technology のエンジニアや、彼らとプロジェクトをしているエンジニアと会うことが主な目的である。前にも、Blog に書いた SIL (Software Innovation Laboratory) に興味を持ってくれたアメリカで働いている日本人エンジニアに会って、いろいろと話ができたことも収穫であった。

今回の出張でも、日本の電話会社の戦略的失敗に影響されて、日本の携帯電話に加えて、アメリカの携帯電話の2台を持っていくこととなった。日本の携帯電話も一応グローバル対応のものなので、電話としては使えるが、アメリカ国内に電話をしたときにも、国際電話並みの料金を取られるので、出張のときは現地用の携帯電話も用意している。

2台の電話機を使うと、日本の携帯電話の使いにくさが、際立つ。当然日本の携帯電話のほうが多機能なのであるが、いつも使っていて慣れているにも関わらず、操作が直感的でなかったり、アプリケーション間で操作が統一されていなかったり、ボタンが薄くて誤操作を招いたりと、いろいろ不満がある。これに対して、アメリカの携帯電話は、年に数回しか使わないにも関わらず、マニュアルも読まずに必要なことができてしまうのである。ボタンは、適度に凹凸がついていて、押し間違えもない。

アメリカのソフトウェアを開発している会社は、「ユーザビリティ・ラボ」という、操作性を検証する施設を持っていたりする。隔離された部屋の中で、新しい製品や機能を「エンドユーザ」に使ってもらい、その操作をビデオなどに記録するなどして、ユーザインタフェースの向上に役立てている。日本でも、家電などハードウェアを作っている会社には、そのような施設があってユーザインタフェースの改善がされていると思う(されていることを期待する)。ただ、ソフトウェア (特に携帯電話のソフトウェア) については、ちょっと使ってみるだけで、ユーザインタフェースが十分に考えられていないことがわかってしまうものが多い。ユーザインタフェースは、機能やデザインと違って、買う段階でわかりにくものなので、その良さが直接売上に結びつきにくい。しかし、ユーザインタフェースを軽視していると、海外の製品との競争に負けてしまうことになるであろう。その部分に投資できないかぎり、国際競争力のある製品を作ることはできないと思う。

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