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決断の遅い日本人VSせっかちな中国人

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 日本人の集団意識が強い。
 いい意味で協調性、団結性が強いというが、悪い意味で皆あまり個人としての責任を負いたくないと指摘されている。

 ビジネス商談の場でもたいてい話を一通り進んだら「この件について、上に相談しないといけないので、一旦持ち帰らせていただきます」と言う担当者が多いのである。
 それはある意味仕方ない話である。第一線で活躍する営業マンはほとんど決裁権を持っていないため、勝手に商談の話を進めてはいけない。だからこそ、日本の会社に「根回し」、「報連相」が大切にされている。
 スポーツを例えすれば、まさに野球である。一塁二塁三塁、全員走ってチーム全体が勝ちにいく。

 中国の場合、商談の場で進行しているビジネスの行方をはっきりさせ、問題(ネック)があればその場で議論を尽くして解決方法を探る。中国人にとって物事は白か黒か二つの選択しかないため、粘りか妥協するか辿り着きやすい。
 中国の会社では上の人間はプロジェクトの方向性を指示するが、実務的な対応を担当者に全般的に任せることが一般的なやり方である。
 スポーツを例えすると、やはり卓球だろう。個人が上手ければいくらでも勝ちぬくのである。

 中国は個人能力を重視するに対して、日本はチームワークを重視する。また意思決定のシステムも違う。中国の会社は完全なトップダウンであるが、日本の会社ではほとんどボトムアップである。ボトムアップには慎重さというプラス面がある一方、意思決定までに時間がかかるというマイナス面もあるだろう。

 付き合っている中国側の担当者から「日本の会社はまず課長さんがうちに来て、日本に戻って部長さんに報告するだろう。そして今度部長さんが視察に来る。部長さんの後また執行役員が来るだろう。ようやく社長さんがいらっしゃるころには、もう時間が経ちすぎてすでに欧米や韓国の企業に取られてしまいってよくあるね」「だから日本の企業って決断遅いし、効率が悪いね」とまで言われた。

 これは日中両国のビジネス慣習が違うから、どちらが優れるかどちらが駄目かというわけでもない。それぞれの長所と短所があるから、やはり地道にコミュニケーションを取りながら、お互いに理解し合えるよう商談を進もう。場合によって、日本側もトップダウンで迅速に動くことが必要だろう。




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