目標とは今現在は実現出来ていない事、という企業トップの発言の読み方と、自分のなかで維持し続けるべきコンテクストの親密な関係
何か行動を起こそうとするとき、多くの場合には何かしらの目標とか目的があるわけです。これが純粋に個人の話であれば何も考えずにただフラフラってのがアルとは思いますが、それが何かしらの組織であれば必ず目標なり目的があるわけです。で、その目標ってのは当然設定時点では実現できていない事な訳ですが、逆に言うとそれを裏側から見ると弱みの部分が透けて見えるというコトもあるわけでして・・・
企業のトップの年頭所感にみる、その企業の弱み
随分昔、営業をやっていた頃に先輩にも言われていた事なのですが、講演なり何なりで目標として掲げられるモノというのは基本的にその組織なり人なりが実現出来ていない事であるという理解ができます。もちろん積極的にこれをやるぞという部分はもちろんありますが、内容によっては今の自分なり組織なりが実現できていないものをそのまま反映する事があります。
因みにそれを企業のトップの年頭所感から読み取るという流れの記事を日経新聞のサイトで見かけて、そういう見方ってのはアナガチ外れていないよねという事をあらためて思った次第。たとえば「グローバル人材の育成が必要」、「(事業の)グローバル展開が必要」、「顧客視点が重要」などなど。これは正に裏を返せば「これらが出来ていないと判断している」わけです。
因みにこれらの年頭所感については新聞やネット上で多くに触れる事が出来るわけですが、個々の企業のトップが何を考えているのか、自身が率いる組織がどこに行くべきだと考えているのか等などが端的に判る種類のモノです。もちろんそれを喋っている場に居合わせたときに口調や身振り手振り、あるいは資料などから伝わる臨場感というものは伝わってきませんが、それでも多くの情報がそこに詰め込まれているのは事実。そしてそれの裏側を透かしてみるのも1つの味わい方だと思います。
ただしその発言に至る流れを理解していないと誤解する部分もあるわけで
端的な表現の裏側には当然のように色んなモノが巻きついているわけで、たとえば同じように見える「グローバル人材の育成」云々という話にしても、その企業なり組織の風土やらビジネスの状況などを事前にある程度理解していないと、それが単に英語教育的なものなのか、その企業としてのビジネスの進め方そのものまでを含めた話なのか、あるいはまったく別の観点からの話なのか、そもそも単に流行り言葉として取り上げただけなのかというのは理解できません。
更に言うと、そもそもその企業なり組織がどこに向かおうとしているのか、その業界自体はどういう状況なのかなどを理解していないと、単純に額面だけで受け取ってしまってその裏側にある何らかの危機感や方向感を読み取る事は出来ないわけで、だからこそ色んな情報に常に接していないと変な理解だけに留まってしまうわけです。それこそ週刊誌の中吊りだけを眺めて記事内容やその裏側まで判ってしまった気になってしまうのと同じだったりします。あ、もちろん自分自身がある程度の情報を持った内容であれば見出し1つでいろんな事を思い浮かべる事が出来るわけで、そこは否定しませんが。
情報はネットだけにあるんじゃないという至極当たり前の結論
もちろんこれらの情報を後から検索し参照するにはインターネットで繋がった世界は非常に楽な仕組みである事は今更言う話ではありません。でも、そこで見つける事が出来る情報の裏側までキチンと押さえること、つまり裏取りをするのはそれほど楽な話ではありません。極論の世界ですが、たとえばブログにしてもなんにしても、本当に本当の裏側の話全部をそこに書いたりしないよね的な話もあるわけで、結局のところ誰かが何かの意図を持って必要と思える部分だけを文字にしていたりして、でも実際にその文字が書かれる裏側には山のように多種多様な経緯が巻きついているわけで、あたかも裁判記録か何かのように全ての経緯や因果関係、そしてその結果までが赤裸々に明かされる状況など滅多に無いんじゃないかと、少なくとも私は思っています。
だからこそ普段から色んな情報に接するということは大事で、だからこそ紙やら映像やらも含めた多種多様な媒体に接し、好き嫌いをとりあえず一旦忘れて色んな立場の人の話を聞き、意見交換をすることが大事だよねと確信しているんですが、下手をすると自分の目の前で流れる情報だけに頼る向きもあったりして、私ごときをしても何だかなと思う事があったりします。
もちろん自分自身がそういう風に見られてる嫌いは当然あるので、そこはそれ自分で諸々絶えざる努力をする必要があるんですが。