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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

カナダのリサーチ・イン・モーションがサービスしているBlackberryが今回の一連のトラブルを確認したのが11日。最初は欧州や中東に影響がでていたのが、復旧できないまま世界中の多くの場所にまで影響が出て既に3日目に突入しています。もともとBlackberryを個人で使うユーザーが日本では非常に限られている事もあってあまり報道されません。参考までにITmediaさんだとRIM、BlackBerryの大規模障害について謝罪ってな形でサイトに掲載されていたりします。

因みに日本以外だとCNNやらReuterやらWallstreet JournalやらFinancial TimesなどのIT系ではない大手どころのメディアでも結構詳しく伝えられています。もちろん国情やらユーザー数の問題やら何やらが絡むので「だから日本は情報鎖国なのだ」とか「メディアは何故ちゃんと伝えないんだ」系の話では無いのですが、その裏側にある無線通信サービスの業界事情やら端末に絡んだ最近の動きやらインフラサービスを提供する立場で云々かんぬんとか、更にはクラウド云々って言ってても結局酷い事になる場合があるのには変わり無いじゃんとか、この事象を目の前にして色々と考えるネタに困る事は無いんじゃないかと思います。

 

実はBlackberryのサービスって数年に一度くらい大規模なトラブルを起こしてきてるんですが

一般的な通信事業者が提供するサービスとは若干違う毛色のBlackberry。その生い立ちとかどうやって市場を取ってきたとか、更には公称4000万人と言われるユーザーが一体どんな構成なのかなど、実は掘り下げると面白い事実が一杯あったりします。あ、因みにリサーチ・イン・モーションさんを批判するとかそういう話ではありませんので念のため。あくまでも他とは違うビジネスモデルを持っているというところが肝なんです。

で、異論を覚悟で言うと実はそのビジネスモデルってのはどちらかと言うと通信事業者的というよりもISPというかASPサービスの提供者に近い性格の方が強いよねという個人的な意見を持っているんです。そもそも通信端末を使ったサービスですが、自身ではサービスのためのインフラをMVNOの形ですら事実上全く持っていなくて、多くの国でのビジネスはあくまでもセンターサービスとそれを利用する端末との組み合わせを通信事業者と二人三脚で売るというモノ。仮にBlackberryという「サービスを利用するための専用端末」を家庭のゲーム機やPC、あるいは何かしらの業務用途の専用端末とかに置き換えて考えれば実はそれほど違いを見出せないような気もします。

そうなるとサービスの継続提供に関わる責任の切り分けってどうなるのとか色々と大人の話が出てきてこれまた面白いのですが、そこは提供する国によっても事情が微妙に異なるので、一概にどうよとは言い辛いところです。

 

提供者のサービスの継続性の担保の方法と、ユーザーが自分の通信手段を確保し続けるために確保するべき担保の違い

既定されたサービスレベルの状況にもよりますし、有料か無料かでも変わってきますし、そもそもサービス自体がどこの国のどのような法的規制を受けているのかなどによって異なる種類の物ではありますが、大抵の場合には何かしらのレベルでサービスを提供するような形になってるものだとは思います。元々全てが日本国内で完結している話なら裏側にあるべき一定の価値観も理解できるわけですが、実はそうじゃないものを知らずに使えてしまうのが今の世の中の状況であるわけです。それが嫌ならそもそもそういう類のものを使うべきじゃないとも思います。

ただ、逆に言うと実はユーザー側が受容するべきリスクというのが実は非常に多く存在しているし、それを理解していようが理解していなかろうがそこに厳然と存在しているわけです。たとえば、自分が使っているナニかしらのサービスそれぞれは作った人や運用している人がいるわけで、それがどこで提供されていようがトラブルが起きるときは起きるし、起きたときの事をキチンと考えているのかなんてトラブルが起きてみないとわからないという、リスクの高さっていうのがどこまでも付いてくるわけです。

たとえばそのサービスにどれほど依存してしまっているのかが問題ですが、「使え続けていないと困るけれど、使えないといコトをどこかで必ず想定していないといけない」という世界なわけです。

因みに最初からトラブルが起きる事を前提として冗長性やら何やらがキチンと考慮されていて、実際のところユーザーから見てダウンしている時間が非常に短く見えるものというのはたとえ自前のシステムだろうが誰かがサービスしているモノであろうが「ツカエル」モノであるという評価を得る事が出来るわけですよね。

そういった評価をどこかでキチンと行い、またそのための対応策を事前に考える事。簡単じゃないですけれど、それこそ自然災害に対する備えなんかと基本的に共通するものじゃないかと思ったりもします。いや、実際のところ、災害なんですよね。「それ」に依存しきってしまっているのに「それ」が無いとどうしようもない状況以外に選択肢を持っていないこと自体が。きっと。

 

いくつもの方策を常に手元に持っておくことの重要性

これはシステムやサービスに限った話では無いと思っています。もちろん惚れ込んだ何かにのめりこんだり、あるいは必要性を感じてどこかに集中したりするところってのは。でも、それが駄目になると全部が駄目になるって状況はやっぱり良くないと思うんです。

もちろんそれぞれの事情によって限度はあるわけですが、その中で常にバックアップ体制というか、冗長性を持たせた仕組みを自分で考えておくというか、なんかそんな考え方。

ただ、これこそ人によるとは思うのですが、私の場合、とても大事なものについて1つしか選択しが無い状況に自分を置くのってのは殆ど恐怖に近いものがあります。何かしら、必ずバックアッププランは持っておきたいと常々思っていますし、それを単なる杞憂とかだとも思っていません。そりゃ頼りにしていたモノが使えない状況っていうのはそれが何であれ辛いですし、怒りたくもなりますし、悲しくもなります。でも、そういう状況を選択したのが自分だとしたら、その責任は全部自分に戻ってくる。それが個人の話ではなく企業における何かだとすれば、それを決定した人の責任になる。当たり前の話ですが、そこを色々と取り違えると怒りが妙なところに向いたりするわけです。

もちろん世の中には自分の思うとおりに出来ない事の方が多いわけですが、逆に言うと、数少ない自分の意思で決める事が出るものについてはキチンと何とかしたい。Blackberryがトラブルで使えなくてもう3日たつのにぃ!という状況を見ながら、何となくそんな事を自分で再確認したりしています。

 

bibendum_iwa

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岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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