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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

駄作だろうが駄文だろうが

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おはようございます。

10℃/1110hPa@5.15am、今日は22℃まで上がるとか?
千鳥ヶ淵の桜はまだまだっぽいですが、今日あたりにかなり開きそう。

===ほぼ毎朝エッセー===

"Fail Fast, Fail Often" という本について、以前このブログで書かせてもらいました。そこには、粘土で作品を作る授業で、学生を二つのグループに分け、一つのグループには「最高の作品をじっくり創るよう」と、もう一つのグループには「なるべく多くの粘土を使うように」と、そのように課題を与えたら、半年後には、後者のグループの方がはるかにいい作品を創っていたとの例が取り上げられています。

そう。「質」よりも「量」なのです。

自分もこれにばっちりと思い当たることがあります。以前「大公開、ビジネス文書とエッセー文書の書き方テクニック」にも書きましたが、自分は文章に大いに苦手意識がありました。ところが、2004年1月に社内向けに【朝メール】を書き始めて、習慣として「ほぼ毎朝エッセー」と名付けた部分を設け、かれこれ12年以上ほぼ毎営業日にエッセーを書いています。

もちろん、乱文で誤字脱字は多数あり相変わらずではありますが、今となると、何も題材が決まっていなくても、ものの5分や10分で、「何か」は思いついて迷いなく書くことができるようになっています。これは、いわゆる「量」によるアプローチです。

そして、先日のロンドン日本人学校の同窓会で「はっ!」とさせられたのです。

数学の先生で担任だった藤井先生は卒業文集を持ってきてくれました。ガリ版の卒業文集。その表紙の絵を自分が描いたのはよく覚えています。先生曰く、「坂本君は文章が嫌だから絵にさせてくれって表紙の絵を描いたんだよね」と。よほどもともと作文が嫌いだったわけですね。表紙絵を描いたいきさつは覚えていませんでした。

そこで絵の話題になりました。数学の先生だった藤井先生は、行くとこどこ、スケッチブックを取り出しては景色を絵に描いていました。自分も、昨年のアメリカ旅行では、久々にスケッチブックを買い、3枚ほどじっくり時間をかけて描写したことを伝えました。

先生曰く「丁寧にやり過ぎようとするのも良くないんだよね」と一言。

余りにも思い当たったのでびっくりしました。確かに時間をかけて描写した絵は、なんとなくうまく見えるようにできたかもしれません。ところが、n数が足りていないのでしょう。なんとなく、意味が無い絵のように思えて、ついついまた1年ほど絵を描かなくなってしまっていました。

そう。「質」より「量」。

駄作だろうが駄文だろうが、n数を多く創っていればいずれは良くなるもののようです。そういうことを改めて思いました。(ちなみに、このエッセーには12分を要しました。)

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