韓国の技術模倣と盗用に加担、実は私も声をかけられました
今朝の日経新聞の7ページに『「追従のDNA」に転機』という記事があります。
その中で、自分も関係があったお話がでていました。
以下引用==>
8月末。中堅財閥、コーロンのアラミド繊維工場が一時、操業停止に追い込まれた。
デュポンの「知的財産を盗用された」という訴えを米連邦地裁が認めたためだ。<==以上引用終わり
この裁判自体の経過や記録はウェブページでチェックすることができるのですが、
その中に知り合いの名前がありました。さすがに衝撃を受けるものですね。
アラミド繊維とは1960年代に米デュポンが発明開発した「ケブラー」を代表とした
高強力繊維のことです。その製造はとても強い酸を使うことから困難を極めたものです。
日本では東レとの合弁会社、東レ・デュポンが製造販売しています。私の前職です。
競合として、日本では帝人が「テクノーラ」という繊維を、デュポンの特許を回避して作り、
オランダではアクゾーという会社が「トワロン」という製品を、これはデュポンと
特許紛争しながら、最終的にはクロスライセンスに持ちこんで製造していました。
その後「トワロン」事業は日本の帝人が買収しています。
今は韓国企業たちがどんどん製造をしている時代になってきているのですね。
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実は、3年前、たぶん特許とかで調査されたのでしょうか、
私のところにも別な韓国の繊維会社からコンタクトがきたのです。
日本語の堪能な韓国人が会社に訪ねてきて言いました。
「コンサルタント契約をしてもらえませんか。アラミド繊維の製造で苦労しているのです」
月に1回か2回、韓国に来て指導してほしい。コンサルタント料を払う。
そのような内容でした。
もちろん、自分はITの現業が目いっぱいでそんな余裕はありませんでした。
前職との守秘義務の契約上もやってはいけないことです。
さらにアラミド繊維の製造から離れて10年ほど経っていました。
丁重にお断りしたのですが、この手のことって本当に横行しているのです。
会社を定年退職して、自分のコンサル会社を一人で経営していた人が、
そのような犯罪に加担してしまったあたり、とても残念なことだと思っています。
ただ、「人に頼りにされる」、「自分の技術が活かせる」、「高収入が得られる」。
そのあたりに魅力を感じて、抵抗が難しいことは確かでしょう。
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※20120928 12:50 てにをは修正しました。 [ウェブページを] → [ウェブページで]