海外でも論議、Android端末はビジネスに使って大丈夫なのか?
おはようございます。
ある日本のグローバル大手メーカーが弊社製品のCACHATTOを採用してくれました。役員さん向けに展開するためです。その会社では、海外に多数の各拠点があり、それぞれ独自にスマートフォンの展開をしているそうです。各国のシステム担当者の間では、Android端末がビジネスに使えるかという議論が活発にされているのです。
今朝は、その会社に採用のご挨拶に伺った際に出た話題を記載します。
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■ユーザーの使い勝手を重視するのかリスクを重視するのか
従来からモバイルデバイスは、紛失時のデータ漏えいリスクについての考察が大切です。パスワードロックやら暗号化やら、ノートPCには様々な技術が開発されました。
スマート端末についても同様です。iPhoneやiPadについては、Apple社が構成ユーティリティや遠隔消去などの手法を提供、それらがずいぶんと進化して「安全に使う」ことがだいぶ確立されてきています。それでも、端末にデータをいれていいのかどうか。よく議論されるところです。
欧米では、端末紛失時の情報漏えいリスクよりもユーザーの使い勝手を重視する傾向が強いようです。リスクはリスクとして残るので、それを一定の割合までは容認する。その代わり使い勝手をより重視するのです。
日本では、ユーザー使い勝手が多少悪くても、端末紛失時に情報漏えいをさせないということを重視します。リスクを限りなくゼロに近づけることを重視します。日本の品質に対する潔癖症などはその表れかも知れません。
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■アクティブシンクかシンクライアントか
具体的にはActiveSync(アクティブシンク)というマイクロソフトの方式を使うことが主流です。最新のメールやスケジュール、アドレス帳などが端末にシンクロされるのです。ユーザーとしては、端末にデータが入っているのでかなり便利です。それだけで百人力です。
ところが、日本の特に大手企業では、落としてくる恐れのある端末にデータを残すのは如何なものかという視点を持っています。それで、シンクロさせることを許さない。つまり、図式的には次のようになります。
・端末にデータを残さないシンクライアント型なのか (日本型)
・端末にデータを積極的にシンクロするアクティブシンク型なのか (欧米型)
元来、クラウドなどのコンセプトがアメリカからやってきていたり、Facebookなんかに家族の情報を大らかに載せていたり。情報アクセスへの利便性とセキュリティのバランスは、文化によってだいぶ違っているようです。
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■Android端末はまだ怖い?
「Android端末はまだ時期尚早」
欧米での結論だそうです。ポイントはセキュリティにあるようです。Apple社の構成ユーティリティに相当する環境がまだ整っていないとの判断です。
やはり、端末にデータを残すからにはそれを守る仕組みが揃わなければだめだということですね。ところが日本本社では、冒頭で述べたように、CACHATTOを採用してくれました。
CACHATTOは、一貫して端末にデータを残さないための仕組みを提供し続けてきています。端末にコピペやファイル保存を禁止させるための、端末認証アプリ(SecureBrowser)を提供したり、必要に応じてOfficeファイルはサーバー側でイメージ展開して提供するという執拗さ、ストイックさです。
その実績もだいぶできており、iPhone/iPadのみならず、Android端末でも多数の採用をしてもらっています。シンクライアント型なので、ユーザー利便性は、手元にデータがあるものには現状劣っています。ただ、落としてきてもデータが残っていないという安心感は、会社側にとっては大きなメリットです。
「そもそもアクセスできないよりはずっといい。」
セキュリティと利便性のバランスが取れているということです。日本のグローバル大手メーカーの判断もそういうところにあります。まだまだこれから色々と変化していく環境での、製品とサービスの最適化は進めていきます。
Android端末の利用数がこの2ヶ月、NTTドコモ端末を中心に急伸しています。先週金曜日のドコモさんでの展示会も驚くほどの大盛況だったと、立ち会った担当者たちから報告されました。