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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

「社会的成功者であることと節約することとは無関係」だと改めて

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おはようございます。

すっきりと晴れた空に冷たい空気。
この季節もそろそろ終わるのだなと下弦の月を見ながら駅まで歩きました。
心なしか空がきれいに見えるのは節約生活のためでしょうか。

電力グラフを横目に節電節電。電気が有限の資源だと気付かされます。
いつの間にか、電気はあって当然。傲慢にそう思っていたことに反省です。

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■今回の一連の災害は何を教えようとしているのか

震災、津波、続く余震、原発事故、電力とガソリンの不足。震災だけでも大変なことなのに、その後に続く一連のことがら。「ここから何かを学べ」と、それこそ人類に神様が何かを教えようとしているような気がしてたまりません。

・電気は有限の資源である。そもそも無駄にしてはいけない。

・自然の摂理を無視していないか。日の光とともに生活すべき。

・節電は美徳。多少暗くてもエスカレーターが動いていなくても我慢できる。

・金持ちであることと節約をすることとは無関係である。

・京都議定書でのCO2排出量削減目標が高い?今25%節電できているじゃないか。

・光々と看板に明かりをつける必然性があったのか。

・コンビニは24時間オープンするのではなくセブンーイレブンに戻るべきじゃないか。

・自動販売機を昼夜つけっぱなしにしておくのはなぜ?

・テレビがいつの間にか24時間放送になっているけど、いるの?

・タイムリーな情報開示の重要性。過剰な反応をしない冷静さ。

・情報ネットワークの大切さ。デジタルデバイドの解決が必要。

・物流ネットワークの大切さ。

・ジャストインタイムの脆弱性。

・いつの間にか忍び込んだ傲慢な概念。(※↓以下列記します)

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■「それは当然でしょ」と、いつの間にか忍び込む傲慢な概念

何よりも、今回の一連のことで、放っておくと傲慢になる人。このことを再認識したと思います。何かをしたのだから、別なことを当然と思ってしまう。その落とし穴って、巧妙です。気付かずに、いつの間にかそうなります。

そして、多くの人がそう思ったのでしょう。震災前後で人々の考えや姿勢が変わっているような感じがします。ちょっと例を挙げてみたいと思います。

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家は暖かくして快適に過ごす。電気はアンペア数を拡大して、落ちないようにしてあるので、エアコンと電子レンジが同時に使えます。

震災前>「電気代をきっちりと払っていればいいんでしょ?」

震災後>「節電節電。これが自分たちのできる一番手近な貢献。」

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コンビニは24時間やっているべき。スーパーも24時間営業が便利。照明は最大限につけておいてほしい。その方が清潔感があるし、夜も怖くない。

震災前>「お金を出せばこういう便利な世の中が実現されるのだな。」

震災後>「電気を暗くしているコンビニを応援したい。24時間営業する必要もないのでは?」

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エンジンはアイドリング、中はエアコン。カーナビのテレビチューナーを横目に時間をつぶす営業車や社用車。

震災前>「いいのです。これは会社のお金で買ったガソリンなんだから。待つのも仕事のうち。」

震災後>「そもそもガソリンが高騰しているし。被災地のことを考えると。。」

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パケット定額制のサービスを利用する。そして、割り勘負けしないようにと、ひたすら大きなファイルやらデータやらをダウンロードするプログラムを作成してネットを徘徊させる。

震災前>「当たり前でしょ。定額制だから最大限に使わなかったら損だし。」

震災後>「無駄に情報インフラを圧縮していないか?」いっときスパムも減る。(戻ったが…)

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JRのグリーン車に乗ると、真っ先に自分の席の背もたれとその隣の背もたれとを最大限に倒す。隣の席には人が座らないように荷物やら何やらを置く。後はタヌキ寝入りをして誰も来ないようにする。

震災前>「安くないグリーン券代のお金を払ったのだから、そんなのは自分の勝手でしょ。」

震災後>「後ろの人に気遣うようになってきている。隣の席をちゃんと開けてある。ゆずり合い。」

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会社は苦しい時期があった。それを努力と忍耐でくぐりぬけ、今は成長して利益も出ている。それを実現できたのは私が頑張ったから。

震災前>「人一倍苦労したのだから当然です。」

震災後>「今、目の前で、会社としてできることって何?」

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株と為替の動向をチェックする。売るタイミングと買うタイミングが難しい。でも研究した成果があがり、自分独自で儲かるタイミングを見つけ出す。マネーゲームで儲ける。

震災前>「私は賢いからこういうことができるのです。得ている利益は当然のこと。」

震災後>「投機目的に動くってどうなのだろう。マネーゲームは災害時には邪魔だ。」

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まじめに勉強して、いい大学に入った。就職活動も工夫をしていい就職先に入れた。その後も献身的に努力してきた。

震災前>「今のポジションや収入は必然性の上に成り立っている。自分の得た当然の権利です。」

震災後>「自分のできる貢献って何なんだろう。改めて自問自答をする。」

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朝は遅刻しないように頑張り、夜は遅くまで残業して頑張る。

震災前>「自分は夜型。遅くまで残業して、さらに飲んで帰れば、朝は辛い。仕事は大変だ。」

震災後>「朝型にシフトしてみた。家にも早目に帰る。仕事はそんなに停滞しないな。」

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不思議ですね。道徳的にあたりまえのことがあたりまえに実施される。なんだか社会全体で傲慢さが減っているような感覚がします。ACの広告が大量に流れていることも効果があるのかも知れません。それとも、喉もと過ぎればまた傲慢さが戻ってくるのでしょうか。

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