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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

「酉の市(とりのいち)」ってご存じですか?商売繁盛という概念

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これは酉の市での提灯(ちょうちん)です。

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★境内の階段の一番上、提灯のほぼ下から見上げてiPhone 4で撮影しました。

縁があって2005年の11月から毎年行っています。新宿の花園神社の酉の市。自分にとっては今年で5年になります。毎年、この熊手お守りを花園神社で貰ってきて、1年間守ってくれた方を返却してきます。今年は11月19日の金曜日の夜に行ってきました。

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■酉の市を知ったきっかけ

さかのぼると、6年前、2004年11月のことです。本当にキャッシュフローが一番きつかった頃で、11月はついに25日に社員給与が支払いできないと覚悟したときです。ワラにもすがる思いとでも言うのでしょうか。あまりにどうしようも無かったので、自分としては禁酒を続けて願をかけていました。

「酉の市にお参り行ってきました。」

ある朝、そう言って稲が絡んだ小さな熊手を会社に持ってきてくれました。会社で経理をやってくれている伊達さんという女性です。あまりに二進も三進も(にっちもさっちも)行かない会社の状況を、自分なりにも何とかしようと思ってくれたのでしょう。

伊達さんはお母さんが衣料関係のお店を開いています。「商売繁盛」という概念があるのでしょうか。商売の神様にお参りに行ってくれていたのです。自分はそのあたりが全く無頓着です。「酉の市」なんて存在すら知りませんでした。

ビジネスは科学的なアプローチでモノになる。風水だとか、人の縁だとか、商売の神様だとかいう信仰心のようなもの、そのあたりは、逆に嫌って避ける傾向すらありました。

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■お参りの効能ってあるの?

伊達さんが持ってきてくれた熊手の直後に、大手お客様での700万円ほどの案件が制約してすぐに入金があります。そしてある代理店さんからは500万円分を事前購入してもらえるという、助け船があります。キャッシュが底をつく事態は回避できました。給与や月末の支払いもできました。でも、今思ってもぞっとするような体験です。

もちろん、熊手があればいいというものではありません。きっと偶然のタイミングだったのでしょう。それ以外の努力を事前に最大限に尽くしてあって、最後の一息の運、これが左右する要素のところで、その熊手が現れたというのが実のところです。

「ビジネスは科学的アプローチでモノになる」と考えるのは正しいと思っています。ただ、科学万能と傲慢になってはいけません。どうしても、タイミングとか運とか、人知を超えた何かに助けられていると感じることもあります。そういった部分が残ります。

そこに畏敬の念を払う謙虚さ、これが必要なのだと思います。

それなので、この熊手、それ以来、毎年「酉の市」に交換に行っています。ものすごい人出です。大抵メンバー5-6名と一緒に出向きます。花園神社の屋台で買い食いをしながら、お参りして、新しい熊手を入手して、古いのにさよならをしています。年に一度、「商売」という不思議なものへの畏敬の念を改める、そんな儀式になっています。

何万円も何十万円もする熊手を縁起物として買うような人も多数いますが、そこは「金額や立派さではないかな。」とも。(笑)

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Wikipediaから引用させてもらいます。>>

酉の市(とりのいち)は、例年11月の酉の日に行われる、各地の鷲神社(おおとりじんじゃ)の祭礼。古くは酉の祭(とりのまち)と呼ばれ、大酉祭、お酉様とも呼ばれる。酉の市で縁起物を買う風習は、関東地方を中心とした年中行事。

(中略)

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しかし、金曜日に重なった今年の二の酉、行った中では一番の人出でした。アジア、って感じがしていいですよ!毎年、不思議とつい数ヶ月前に来たのに、と思うほど1年が短く感じます。

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