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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

ダメな営業が共通しておちいる罠

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おはようございます。

風は無いものの手がかじかむくらいです。始発3番目と遅くなってしまった今朝は、有楽町の乗り換えで国際フォーラムの船の舳先(へさき)越しに青空が見えました。

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今朝は最近再確認した営業のコツについて。

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■会社の顔として担当者を信じてしまう

「自分はダメな営業だなぁ。」

よくそう思います。ある会社の誰かとお話すると、ついついその人をその会社全体の顔として信じてしまうからです。その会社のいろいろな人とお会いするのを億劫がってしまいます。

だって、考えてもみてください。

自社内での誰か一人が、会社全体の意見を言えると思いますか?

特に、それなりに大きな組織になってくれば、社長ですら詳細は把握できなくなってきます。日々、沢山のやるべきことがあって、それぞれの状況を把握して、一つ一つプライオリティを決めて。そのような中、誰か一人が考えていることだけで物事が決るわけではないと分かりますよね。

誰か一人が約束したからと言っても、その人が社内を説得できるとは限りません。うまく行かず、その人の部署の上司に会ったとしても、その上司も社内では似たような立ち位置にあることが多いです。大きな打開になることは少ないです。

それなので、営業として飛んでいって、一部署の人たちとお話しして、それでその会社が分かったような気持ちになるのが、ダメな営業が共通しておちいる罠だと思っています。

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■会社対会社は多面的におつきあいする

会社に対して本気で動いて貰いたいときには、多面的におつきあいすることが必要です。

自社内を見れば分かりますよね。部署によって意見が異なります。社長の意見だって、全体を表すものとは限りません。議論を重ねた結果、社長の意見と異なることを実施することはよくあります。

その意見たちも、過去の事柄が時系列的な整理をされたものではなく、イメージや先入観、あるいは誰かから聞いたという二次情報、三次情報で凝り固まっていることがあります。

このような中で、ある人や部署に売り込みに行ったとしても、正しく自社製品が理解してもらえるとは限りません。その解決策には、多面的なおつきあいしか無いのだと考えます。

大きなプロジェクト、重要な仕事、そういったことを推進する担当者は、多面的に人に会うことが必須だと考えるくらいが良いでしょう。

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■キーパーソンと巡り会うには?

「この大きな会社、どうしてちゃんとやれて儲かっているのだろう?」

ベンチャー企業のような中小企業を始めて、初めて大きく疑問に持ったことです。大企業を見ていて不思議に思うことです。明らかに、ベンチャー企業や中小企業の人たちの方が、自己犠牲までしながらも熱心に長時間働いています。大企業では、仕事の区分けがきっちりとされていて、ある意味優雅にやっています。

大企業では、極論すればある期間の中、8割のフツーにやる人たちの中に、1割の落ちこぼれと、1割の目覚めた優秀な人がいる。そんなミックスになっています。8対1対1の人たちが随時入れ替わっているという感覚です。もちろん、下に行く傾向、上に行く傾向が強い人はあります。

初速がついてしまうというのか、ブランドの威力というのか、一度軌道に乗ってしまえば、慣性力だけでも安定します。そして、1割の目覚めた優秀な人たちが次の方向を決めて推進するのです。例えば、2000人も社員がいれば、200人の目覚めた推進パワーがいる計算になります。

その1割の、目覚めた優秀な状態にある人、いわゆるキーパーソンと巡り会うことが、自分の関心事を成功させるコツでもあります。その人にたどり着くまで、いろいろな人に会い続けるのです。ただし、その人が過去に活躍したからといって、いつもそうである保証は無いあたりが気をつけるポイントなのかも知れませんね。

とにかく多面的に会う、これはことのほか重要です。広げて会うことを億劫に思っていてはいけません。ダメな営業のおちいるワナです。最近弊社にジョインした43歳、営業のベテランのすばらしい多面的な動きからそれを再確認しました。ありがとうございます。

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