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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

恩師、川上桂さんの死を受け止める

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・生物としての死
・機能としての死
・ソーシャルデス

小川さんの記事『死んでもいいから闘争する。』における3つの死、その区分けに思わず考え込んでしまいました。

ソーシャルデスは確かに恐ろしいです。自分も起業して失敗して、ソーシャルゾンビになりかけ、何とか立ち直った体験をしました。どん底のときのソーシャルデスに対する恐怖感たるやものすごいものがありました。人生をあきらめてしまいそうでした。

そして、今から考えると、ソーシャルゾンビになった時でも、馬鹿にすることなく、話を真摯に聞いてくれた人がいました。その人に、何とか成功した姿を見せたい、そんな子供のようなモチベーションがあり、それで力が出て立ち直れました。

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一昨日、その聞いてくれていた人、川上桂(かつら)さんという方が62歳の若さで亡くなりました。2週間ほど前から心筋梗塞とのことで入院されていたのですが、回復も順調で「来週にも退院」と、すっかりそのつもりだったのです。

「ごめん、心臓、もどらなかった。。」

日曜日の夕方、携帯に親友からの連絡があったときには、にわかには信じがたい気持ちでした。早朝から別な病気を併発してしまい、高熱となり、そのまま意識が戻らず、心臓が止まってしまったとのことです。

川上さんにはもともと心臓に若干の問題がありました。それなのでカテーテルの医師、高校時代からの親友を紹介し、その元で治療を受けていました。「いいお医者さんを紹介してもらった!」と会うたびに喜んでくれるその言葉を聞いて少し誇らしげに思っていました。友人をほめられるのは嬉しいものです。

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川上さんには起業前からお世話になっていました。元々は松下電器でキャリアを積まれ、当時は日本エリクソンの研究所長さん。自分たちは携帯電話分野で起業したいと考えていた中です。ビジネスモデルをぶつけて相談したのが始まりです。その後も、経営についての様々な考えや悩みをぶつけて、真摯に考えを返してくれていた人です。

「史郎さんの年収が、そうだな、1500万円を超えたらご馳走になろうかな。」

未だに2ヶ月に1度、定期ミーティングをしてくれていました。いつもご馳走してもらっていました。毎回すまない気持ちがして、「早くこちらがご馳走する側に回りるぞ!」とのモチベーションもいただいていました。

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「ソーシャルデス」の前に「生命としての死」を迎えてしまった。

その事実を受け止めようとずっと考えていました。お世話になったこと。お返しできたこと。迷惑かけたこと。昨晩は川上さんの追悼に一人でワインのお店に入り、赤ワインを一本飲み、いろいろと考えていました。

ひとしきり考えて、寝て。今朝はこの文章を書いています。文章に書くと心の整理がつきます。そして、それは朝がいいです。朝に文章を書けば、それは自分へのエネルギー注入にもなります。そう、不思議です。

「私の遺志を継いで何百年も続くような立派な会社にしてくださいね。」

川上さんにも心の中でささやかれたような気がしました。そしてそれが、ちょっとしたことで気持ちが萎えてしまうような自分への、ボタンかけ直しのエネルギーへと変わることが認識されました。

お通夜は水曜日、告別式は木曜日。自分はお通夜だけ行きます。木曜日は福岡出張です。仕事を折り曲げて告別式に参加したら叱られてしまいそうですから。

「私との約束の仕事優先ドタキャンは大歓迎ですよ。拡張していますね!」

昨年末、恒例の二人での定期ミーティングを、突然入った仕事を優先してキャンセルしたときの言葉でした。我がことのように喜んでくれていました。

ご冥福をお祈りします。

※20100608 09:30 カテゴリーを追加しました。

※20100608 11:30 恩師:先生、ここでは経営や戦略の先生という意味です。

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