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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

マーケティングは開発:IT製品をB2Bで売る際の道筋例

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マーケティングは開発」ある方がおっしゃっていた言葉が耳に残っています。

自社製品あるいは海外や協力会社から基本となる製品を入手する。それを法人向けに最適化して売る。かなり多くのIT企業がこの活動をしていると思います。

弊社でも、従来に無い通信サービスを、法人様にどのように買っていただくかをひたすら試行錯誤してきました。セキュリティを重視したモバイルアクセスのSaaSとでもいうのでしょうか、いや、Network as a ServiceでNaaSとでもいうのでしょうか。

新しい概念のサービスを、新しい売り方で、従来の顧客や販路とタイアップしながら、市場に受け入れてもらっていくのです。

今朝は、導入社数という切り口で、販路・顧客・価格・プロモーション・開発・経営姿勢などの特記事項をまとめてみました。もちろん、製品の性質や市況によって、それぞれ細かくは異なってくるでしょうが、製品の成長とやるべきこととの一つの例です。

全部を一度にやることはできないし、順番を誤ると空振りします。ひたすら知恵を絞って次の一歩を踏み出し続ける、やはり、「マーケティングは開発」なのです。

■0~30社

 販路
  ・一次代理店を集める
  ・紹介営業・直販
 顧客
  ・イノベーター(リスクテーカー)
  ・知り合い
  ・一次代理店
 価格
  ・価格は臨機応変、柔軟に変更する
 プロモーション
  ・興味をもってくれたところを追いかける
  ・テスト導入
 開発
  ・お客様要望にあわせてそれを改善する
  ・どんな要望にも「やらせてみてください!」
  ・品質がどうしても悪い、お客様先で火を噴く
 経営姿勢
  ・トップ営業
  ・人柱現場作業
  ・自社製品への夢が途絶えないように心がける

■30~80社

 販路
  ・代理店活動を活発化する
  ・代理店に成功体験をしてもらう
  ・紹介営業・直販
  ・ひたすら案件を積み重ねる
 顧客
  ・アーリーアダプター
  ・知り合い
 価格
  ・価格ポリシーをフィックスする
 プロモーション
  ・代理店経由
  ・一本釣り
  ・紹介
  ・デモ導入
 開発
  ・お客様要望をどんどん取り入れる
  ・標準化して無償提供
   →ここで大手SIerの提供する製品と道が分かれます
  ・作り直しに近い大改修
 経営姿勢
  ・製品コンセプトの明確化 (ユニークな製品たれ)
  ・キャッシュフローマイナスの苦しい時期
  ・一時金が入るカスタマイズへの誘惑を断ち切る

■80社~140社

 販路
  ・流通や大手代理店とのおつきあい
  ・露出は流通や大手代理店との共同セミナーなど
 顧客
  ・アーリーアダプター
  ・グループ会社への展開など
 価格
  ・販売ポリシーの策定 (販路間競争などが激化)
  ・仕切り価格にポリシー策定
  ・価格の改良改善 (販路を考えた価格)
 プロモーション
  ・流通や大手代理店でのプロモーション
  ・顧客カバー率の向上
  ・口コミによる広がりが加速
  ・デモ導入
 開発
  ・仕様の標準化
  ・ドキュメンテーション化
  ・サポート体制の組織化
  ・遠隔管理技術の向上
  ・導入支援の標準化
  ・リリース前品質の向上
 経営姿勢
  ・標準化への強い意志
  ・キャッシュフロープラスに転じる

■140社~200社

 販路
  ・二次代理店の活性化 成功事例
  ・大手代理店の活性化継続
 顧客
  ・アーリーアダプター→アーリーマジョリティ
  ・特に選べない
  ・採用案件の少人数化
 価格
  ・値下げの誘惑→原則応じない
  ・まだ製品価値を世の中に示す時期
 プロモーション
  ・露出を高める
  ・販社への教育コース用意
  ・キャンペーンの実施
  ・営業が導入技術を取得、デモ実施の活性化
 開発
  ・○×で競合に負けないように機能を整備
  ・サポートの標準化
  ・様々な環境に対応したテスト体制の充実
 経営姿勢
  ・トップ製品であることを意識した打ち出し
  ・競合に対する柔軟性
  ・顧客の要望優先である意識の再確認

■200社~500社

 販路
  ・大手二次代理店との連携
  ・先行者とのタイアップ
 顧客
  ・アーリーマジョリティ
  ・業界を問わない
 価格
  ・競合に対する柔軟性
 プロモーション
  ・連携製品のメーカーとの共同キャンペーン
  ・展示会への出展
  ・広告掲載の積極化
 開発
  ・次なる魅力を追加
  ・ユーザーの使い勝手などの向上
  ・多様性への標準対応
  ・システムの安定性、SLA(Sevice Level Agreement)
 経営姿勢
  ・トップ製品であることを意識した打ち出し
  ・社会的インフラであることの意識の徹底
  ・提携先を増やす WinWInの関係
  ・プチ成功を打ち破る

以上、何らかのご参考になれば幸いです。

参照:イノベーター理論 (Wikipedia)

イノベーター理論は、1962年にスタンフォード大学の社会学者であるエベレット・M・ロジャースによって提唱された。特定様式が流行する過程において、その社会を構成するメンバーを分類したものである。

* イノベーター(Innovators:革新者)
新しいものを進んで採用するグループ。彼らは、社会の価値が自分の価値観と相容れないものと考えている。全体の2.5%

* アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集を行い判断するグループ。オピニオンリーダーとなって他のメンバーに大きな影響力を発揮することがある。全体の13.5%。

* アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
ブリッジピープルとも呼ばれる。新しい様式の採用には比較的慎重なグループ。全体の34.0%。

* レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
フォロワーズとも呼ばれる。新しい様式の採用には懐疑的で、周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする。全体の34.0%。

* ラガード(Laggards:遅滞者)

最も保守的なグループ。世の中の動きに関心が薄く、流行が一般化するまで採用しない。全体の16.0%。中には、最後まで流行不採用を貫く者もいる。

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