創造性の高い仕事はリスキーなのか
★「創造的であれ!」といつも言っていても、いざ、自分の子どもがミュージシャンになると、本気で言い出したら戸惑ってしまったりします。それはなぜなのでしょう。
【朝メール】20090925より__
===ほぼ毎朝エッセー===
□□創造性の高い仕事はリスキーなのか
TED Talksをジムで何本か聞いていて頭に残ったストーリーをメモします。
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昨今、創造性高く仕事をするということが強く求められてきています。会社で言えば、新しい有意義なサービスを創って提供するということです。単に決められたことを早く安くやる、というのでは生き残れないようになってきています。自分なりのやり方や会社なりの工夫というものが絶えず求められます。21世紀に顕著になってきている現象です。
ところがその創造性、普通に構えているだけではなかなか発揮しづらいです。それなので、皆それぞれに意識して創りだす工夫をする必要があります。さらには、創造性は大人になるとともに強制的に封じ込められていきます。
例えば小学生が「歌手になりたい」とか「画家になりたい」と言えば、大人はにっこりと「がんばって!」などと応援するものです。ところがこれが高校生や大学生になって「プロ野球選手になる」とか「作家になる」などと、実績も無く言っているのだとすれば問題です。なんとか考え方を正してやろうとしてしまいます。そしてその結果「有名企業や安定した職業に就きなさい」というような非創造的なことを押しつけたりするものです。
では、なぜ、創造性の高いことをやろうとすると、反対されるのでしょうか。それはリスクが高いと思われているからです。創造性はその人の中から出てくるものであり、その才能は枯渇するものだから、創造し続けることは困難である、したがってそういったリスキーなものに賭けるよりは、周りが助けてくれるような安定した職種についた方がいい、そのような考え方が根強いからです。
一方、創造性は無尽蔵にあるという考え方をする人もいます。それは、古代ローマやギリシャの頃には当たり前のこととして、どこかに存在する「知」から必要な創造性が無尽蔵に引き出せるという考え方です。
あるポエット(作詩家)は、牧場を歩いていると詩が空からサーっと降りてくるといいます。降りてくると、それが自分の体にたどり着く前までに、慌てて走って部屋に戻り、紙とペンを手にして、その詩を言葉に変えるといいます。ときには間に合わず、「別な誰かのところに行ってくれて構わないよ」といい、ときには何とか間に合ったのですが、尻尾のところからつかめたので、それを紙に現したときには、詩が後ろから反対に出てきたといいます。
このように、自分の内部から創造性を発揮しようと考えるのではなく、外部に存在する何かから、そのヒントをつかむということがコツなようです。自分の中から創造性を搾り出そうとすれば、それは元々無理なものであって、外にアンテナを張りながら、降ってくる複数のヒントを頭のなかでいつも組み合わせていることを続けることで、「ひらめく」のです。それなので、創造性高くいることは決して枯渇するようなリスキーなことではなく、無尽蔵にアイディアは創り出せるのであり、その方法を身につけるだけのことなのです。
目の前にある仕事をきっちりと進めながら、それらがどのように工夫すれば、より、やり易くなるだろうか、より面白くなるだろうか、そのように疑問を持つのです。同時に外部にアンテナを張りながら、どこかに存在する「知」からプレゼントされる「ひらめき」を利用していくのです。これが21世紀型の仕事の仕方のようです。
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★毎日、そのように生きていたいですよね!だから、ミュージシャンも結構。がんばれと応援しています。